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超回転 寿司ストライカー The Way of Sushido 【ちょうかいてん すしすとらいかー ざ うぇい おぶ すしどー】 ジャンル アクションパズル 対応機種 Nintendo Switchニンテンドー3DS 発売元 任天堂 開発元 インディーズゼロ 発売日 2018年6月8日 定価 5,378円 プレイ人数 1~2人 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 バカゲー ポイント 寿司を食べて戦う異色の対戦パズル変化球ながらも筋の通った世界観とゲームシステム対人戦のハードルは高め高難易度のストーリーモード 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 回転寿司をテーマにした対戦型アクションパズル。 「スシ」が至高の食べ物、ひいては貴重な資源として扱われている独特な世界観で、スシを食べまくり、食べ終わった皿をぶつけて戦う「スシバトル」が繰り広げられる。 ストーリー そこは、魚がいない世界。 地上で最も高い価値をもつ資源であったスシを巡り「第一次スシ大戦」が勃発。 勝利した帝国軍によってスシは独占され、戦争に敗れた共和国ではスシを口にすることはできなくなっていた。 両親と生き別れ、孤児院で暮らしていた共和国の少年「ムサシ」は、自分にスシの素晴らしさを伝えてくれた旅人「ユキチ」が帝国軍に連れ去られたことを受け、「スシライカー」となって戦いに身を投じることになる。 特徴 スシバトルの基本 スシバトルは、スシが流れる各3本のレーン+共通レーンを挟んで互いに向かい合った状態で行われる。 隣り合う同じ色の皿に乗ったスシをタッチorボタン操作で繋ぎ、離すと自動的にスシを食べ、皿がテーブルの上に積み上がっていく。 この皿を相手に投げつけて(シュート)攻撃していき、先に相手の体力を0にした方が勝利。 一度に皿を繋ぐことができる制限時間は7秒。これを過ぎる前にタッチ(またはボタン)を離さないと、スシは食べられずに消失してしまう。 たくさんの皿を繋げるほど一撃のダメージが大きくなる。 さらに、全て同じネタで繋げると「同ネタボーナス」で威力1.3倍となる。 また、同じ色の皿を連続してシュートすると「コンボ」となって威力がだんだん上がっていく。 皿のグレード 実際の回転寿司のように皿にはグレードがあり、「かっぱ巻き」や「たまご」はグレードの低い水色、「かに」や「うなぎ」はグレードの高い銀色などと分かれている。 グレードが高いほど攻撃力が高いが、レーンに流れる数が少ない。 普段は高級皿を取るより安い皿を大量に繋いだ方が強力になる一方、「スシまつり」(いわゆるフィーバー)中は高級皿が多く流れるため、一気にダメージを稼ぐチャンスとなる。 レーンに流れるスシネタは後述の「スシガミ」によって異なり、レベルを上げると高級皿の割合が上がるといった育成要素にもなっている。 スシガミとスキル 魚のいない本作の世界において、スシは「スシガミ」と呼ばれる生き物が生み出す存在である。 スシガミは50種類以上存在し、それぞれ出やすいネタの傾向が異なるほか、固有のスキルを持っている。 スシバトルの際は、契約したスシガミの中から3体のチームを編成する。 スシを食べるごとに(一度に食べた皿数は関係ない)スキルゲージが溜まり、満タンになるとスキルが使えるようになる。 スキルは、レーン上の皿の色を統一する「百連皿」、取るとしばらく動けなくなるワサビを相手レーンに紛れ込ませる「ワサビ大サービス」、相手レーンを急加速させて皿をつなぎにくくする「暴走特急レーン」など、それぞれ個性的。 スキルは組み合わせることによって相乗効果を発揮することもあり、威力を上げる「電撃シュート」と与えたダメージの分だけ回復する「ライフハンター」を同時に使って一気に体力を回復するといった芸当も可能。 スシガミの中にはレベルを上げると覚醒し、姿が変わるものもいる。 その他のカスタマイズ レーンドライブギア 短時間でより多くの皿をつなぐために、自分のレーンを加速させる道具。皿を繋がずにタッチしっ放しにすると自動的に発動し、タッチを離すと解除される。 速くなればなるほど多くの皿を繋ぐチャンスが生まれるが、制御も効かなくなりやすい。 レーンドライブギアには種類があり、あまり速くならない初心者向けの「リトルギア」、かなり速くなる「ハイパーギア」といったものから、加速は緩やかだが、一旦速くなればなかなか減速しない「ストリームギア」といったテクニカルなものもある。 こうぶつ それぞれのスシを通算で一定量食べると、該当するスシネタの「スシパワー」を獲得できる。 スシパワーを獲得したネタは「こうぶつ」として宣言できるようになり、ネタに応じた能力アップ効果を得られる。 カプセル ステージによってはカプセルがレーンに出現し、バトルの行方を左右する。 例えば「ボム」は、取ると相手に飛んでいってダメージを与えるが、取らないまま流れ去った場合は自分がダメージを受ける。 皿の脇に数字が書かれており、その数字よりも多く皿を繋いだ状態でないと取ることはできない。 モタモタしていると流れ去ってしまうため、先を読んで皿を繋げるコースを考える必要がある。 ゲームモード ストーリー ステージを順番にクリアしていき、帝国の打倒を目指す。 帝国軍は4人で1小隊となっていることが多いため、おおむね4ステージごとにイベントが入ってストーリーが進んでいく。 要所で特殊ルールで勝負を仕掛けてくる謎の男や、ライバル「コジロー」のステージもあり、ほぼ一本道ながら変化を感じられる構造になっている。 闘技場 オンライン対戦が可能。主人公とスシガミのレベルは30に統一され、出てくるネタもレベル30に準じたものになる。 カプセルありで勝ち数のみ記録される「バラエティバトル」と、カプセルが出ず勝敗でレートが上下する「ガチレーティングバトル」の2種類。 パズル道場 止まっているスシを全て取ることができた回数を競うモード。時間がなくなったり、取る順番を間違えてスシが余ってしまうと即ゲームオーバー。 一回のミスすら許されないが、出てくるスシの配列パターンは少ないので、繰り返し挑戦して覚えることが重要。 評価点 ぶっ飛んでいるが説得力のある世界観 「魚のいない世界」「スシにはなんの罪もねえんだ」と、序盤からパワーワードの連続。しかしながら声優陣の熱演も相まって、不思議なリアリティがある。 物語のジャンルはコメディだが、スシが原因の戦争で実際に犠牲者が出ていたりと、根底の世界観は結構重い。そんな中で純粋にスシを愛する主人公が、スシバトルを通じてさまざまな人と心を通わせていく姿は必見。 テーマは「食の大切さ」「みんなで食べることの楽しさ」で一貫しており、「寿司屋でネタだけ食べてシャリを捨てる」といった、実在する問題への風刺も含まれている。 ラスボスに至っては、回転寿司に行ったことがある人なら誰もが経験しているであろう「あるある」が人格形成に大きく関わっているという設定。戦闘で使用する技も色んな意味で"掟破り"であり、満を持しての登場に相応しい存在感を放つ。 高い戦略性 ダメージを増やす方法だけとっても「一度に大量の皿を取る」「コンボを繋げる」「高級皿で攻める」「単純に手数を増やす(*1)」と複数あり、それぞれの作戦を補助するスキルやスシガミ編成、レーンドライブギアが存在する。 工夫すれば上記の作戦を組み合わせたり、状況に応じて切り替えることも可能。 防御・妨害系のスキルは攻撃系よりも発動に必要なスシが多かったり、使いどころが難しいものが多い。しかし、ダメージ1.5倍、かつ高級皿が流れやすくなるフィーバータイム「スシまつり」を狙うことで妨害の効果が高くなり、相手の戦略を崩しやすいようになっている。 それを見越してあえて攻撃を前倒しする、さらにそれを予想して対策する…などといった駆け引きがスシバトルの大きな魅力。 流れる皿のランダム性が強いため、ただパズルを頑張っているだけではどうしても運ゲーになってしまう。相手の状況を観察し、効果的にスキルを使っていくことで初めて安定した勝利を得られるというゲームバランスになっており、奥が深い。 『ゼノブレイド』のように、スキル発動時や戦況が変わった時などにはキャラがよく喋る。このセリフに耳を傾けることで、パズルに集中しつつ状況を把握するテクニックもある。 ストーリーを通してスキルの使い方に気づく構成 ストーリー中の相手が新しいスキルを使用する際は、大抵バトル前のイベントで簡単に説明してくれるため対策を立てやすい。 自分がそのスキルを使えるようになるのは少し後であることが多いが、敵に使われた経験を活かして有効な発動タイミングが自然とわかる。 ストーリーが進み、苦戦しがちになる頃には手持ちのスシガミ(スキル)が増えているため、試行錯誤することで大抵の相手はレベル上げせずとも太刀打ちできる。 終盤になると複数のスキルの相乗効果を狙った相手も出てくるため、対人戦向きの編成を考える上でとても役立つ。 豊富なやりこみ要素 各ステージに3つあるお題をクリアして「スター」を集めると隠しステージに挑戦することができる。さらに隠しステージで手に入るアイテムを集めるとさらなる新マップがオープンし、その先で強敵と戦ったり、新たなレーンドライブギアを入手することが可能。ステージは全部で200以上。 各ステージで、スコアに応じてランクがつく。最高ランクのSを普通に取るのは困難を極めるが、自分の体力が半分になる代わりにスコアが1.5倍になる「しゅぎょうのおび」を装備すると難易度が下がる。1周目ではまず勝てない体力差になってしまうため、実質的な2周目要素と言える。 4人で1小隊の帝国軍は、1人ずつルールが異なっている。同じような戦いを連続ですることがないため、作業感を感じにくい。 1ゲームが短い 先述したように防御系のスキルの方が発動条件が厳しいので、長期戦に持ち込むより短期決戦が有効な状況が多い。 レベル30統一ルールなら長くても3分程度で決着がつき、サクサク次の対戦へ行ける。これはパズルゲームとしては珍しい特長。 ストーリーモードも、一度見たイベントを飛ばしてバトルに進めたりとテンポが良い。 賛否両論点 1人用モードの難易度がやや高い 主人公のレベルアップに対して相手ステータスの上昇が急激で、終盤になるとこちらの倍近い初期HPの相手とのバトルが普通になる。 スキルレベルについてはもっとインフレが激しく、さらに一部は開幕でスキル発動というこちらにできないことをやってくるため、理不尽さを感じることも。 相手の使用スキルは先に見えているので、「相手の戦略を見極め、その弱点を突く編成で戦う」ことを前提とした難易度設計であると思われる。うまく編成がはまり、相手を封殺することができればかなりの爽快感。 反面、好きなスシガミでずっと戦っていくといった遊び方は難しい。 どうしても勝てない場合は、じゅんびアイテム「ふっかつのまめ」という救済措置がある。が、これは確実に入手できる機会が限られているため、考えなしに使っていると本当に難しいステージで使えないということになりうるので注意が必要。 謎の残るストーリー + 終盤のネタバレ 「世界から魚がいなくなった理由」は説明されるものの、ムサシの母やラスボスが飛び込んで行方不明になった「スシゲート」や本当に謎のまま終わってしまった謎の人物「チャラオ」の正体など、依然として決着がついていない部分がいくつかある。続編での補完に期待したい。 ただし、後者に関しては謎で終わること自体が一種のネタになっているので、一概に悪いとは言えない。 問題点 対人戦と同じルールで遊べる一人用モードがない ポケモンシリーズの「バトル施設」のように、公平な条件で対戦が楽しめる一人用モードが用意されていない。そのため、対人戦を想定した検証や練習が非常に困難。 スシガミは各種1体しか入手できず、一度上げたレベルや使用した強化アイテムをリセットする方法もないため、対戦時に流れるスシのメニューや正確なステータスを知ることが難しい。 2022年現在はオンラインの過疎化が進んでおり、ランダム対戦で誰かとマッチングすることはほぼ絶望的。せっかくの対戦の奥深さを十分に楽しむ機会が限られているのは極めて口惜しい。 特殊レーンの説明不足 通常、スシバトルの3つのレーンの進行方向は互い違いになっているが、一部のステージでは3つのレーンが全て同じ方向に流れる特殊なレーンになる。 このレーンでは一度に多くの皿を繋ぐのが非常に難しい。 そのため、別の色の皿を挟んで繋げるようになる「マイウェイ食い」や、つみ皿を増やせる「いつの間に追加皿」、少ない皿数で威力を叩き出すための「高級ライカー」など対策スキルを用意しないと不利になるのだが… その辺りの説明が全くないので、対策に気づかないまま「皿をなかなか繋げられない、単にイライラするステージ」になってしまいやすい。 スシガミ強化に手間がかかる スシガミの育成要素の中で特に重要なスキルレベルは通常のレベルアップでは上がらず、ドロップアイテムの「スキルのおふだ」を使うか入手スシガミが被ったときにしか上がらない。 スキルにもよるが、中には最大まで育てるために大量の「スキルのおふだ」を要するものもあり、対人戦のハードルを上げている。 経験値は同時に5体まで(セットしたスシガミ3体+育成枠2体)与えられるのに対し、スキルレベルは1体ずつ地道に上げるしかない。なんらかの緩和策が欲しかったところ。 総評 「回転寿司」というテーマを取り入れることによって、今までに無い戦略性と爽快感を生み出す対戦パズルの新ジャンルを切り拓いた。 とにかくスシへの愛に溢れている ことを除けば王道を行くストーリーも魅力で、最初から最後まで楽しめる。 実際のところ、プレイヤー人口が少ないためゲームバランスや対戦周りの仕様の良し悪しは未知数。しかし、豊富なカスタマイズ要素をはじめとした対戦を盛り上げる要素を数多く備えているこのゲームは、さらなる発展に期待する価値がある一作といえる。 余談 当初は3DS版のみの発売が予定されていたが、Nintendo Direct 2018.3.9でSwitch版も発売されることが発表された。 Switch版は、任天堂タイトルのダウンロード版2本を9,980円で買える「2本でお得 ニンテンドーカタログチケット」の対象作品である。 ただ、7,000円台のソフトもある中、本作は『1-2-Switch』と同じく最も安いので割引率は低くあまりお得感はない。 有名寿司チェーン店「スシロー」とのコラボレーションが2018年6月8日より行われた。風変わりなプロモーションにより一部では注目を集めたが、Switch版は初週5,235本、3DS版は初週2,392本(*2)と振るわない形で幕を降りた。 Switch版はタッチ操作だけでなく、ボタン操作に対応している。 ボタン操作の場合、テレビ画面で遊べる、スティックを適当に回すだけで皿が繋がりやすいといった利点があるが、皿を繋ぐ起点を選んだり、シュートする皿を選ぶ操作は難しい。どちらが有利というほどでもないので、お好みで。 本作より後に発売されたSwitch用タッチペンを使用するとタッチの操作性の向上が見込める。この場合タッチがやや有利になるため、一考の余地はあるかもしれない。少なくとも「パズルバトル」モードは、ボタン操作での攻略は不可能に近く、タッチペンが必要と考えた方がいい。
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System Shock 2 【しすてむしょっくつー】 ジャンル サバイバルホラーRPG 対応機種 WindowsLinuxOS X 発売元 Electronic ArtsNight Dive Studios(Steam版) 開発元 Irrational GamesLooking Glass Studios 発売日 1999年8月11日【Steam配信】2013年5月10日 定価 980円 プレイ人数 1人(オンライン時3人) 備考 Steamで配信中 判定 良作 ポイント SFサバイバルホラー自由なステ振りハッキング等の複数の攻略法 System Shockシリーズ初代 - 2 概要 ストーリー 特徴 RPG要素 戦闘 ハッキング PSI(超能力) 通貨(nanite) 調査 オーディオ・ログ 敵の再配置 評価点 サバイバルホラー要素 ストーリー 進行の自由度の高さ 充実したアイテム 世界観設定 独創的な敵キャラクター BGM・サウンド お遊び要素 問題点 古いゲームならではの欠点 ほぼ縛りプレイ同然のステ振り 蘇生装置 一息つける場所がない その他 総評 余談 概要 1994年にMS-DOS/MacOS用ゲームとしてOrigin Systems(*1)より発売された『System Shock』の続編。 地球外生命体に乗っ取られてしまった光速宇宙船を舞台に、地球外生命体と機械、そして人類の生き残りをかけた戦いが繰り広げられる一人称視点サバイバルホラーRPG。 単純なFPS戦闘そのものより、限られた物資を上手く活用したり、ハッキングなどの搦め手を駆使して難所を切り抜けるサバイバル要素に焦点が当てられている。 アイテムメニューを開いてもゲームが止まらず、敵の再配置が予測不能、物資の入手法が限られるといった難易度の高いシステムと、人類がほぼ壊滅した宇宙船という閉鎖空間内で進行するストーリーが合わさった結果、 直接的な恐怖演出こそ少ないものの最初から最後まで緊張感が持続する良質のサバイバルホラーとなっている。 BioShockシリーズはこのゲームの「精神的続編」という位置づけであり、実際似通ったところも多い。 また、Dead Spaceはこのゲームから影響を受けたという噂もあり、ゲームのシチュエーションや敵キャラの設定などに似通ったところがある。 評論家からの評価は非常に高く、7つのゲーム・オブ・ザ・イヤーを含む数々の賞をとったにもかかわらず、知名度の方はお世辞にも高いとは言えなかったため、売上は芳しくなかったという不遇のゲームでもある。 海外では「最も怖いゲームランキング」が作られると名を連ねることが多い定番のホラーゲームである。 ストーリー エドワード・ディエゴの策略によって人工知能SHODANが暴走し、シタデル・ステーションを壊滅に導いた事件から42年後... 人類はFTL(光速宇宙航行技術)を開発、史上初の光速宇宙船Von Braun号が建造され、いくつかの懸念を孕みながらも処女航海が開始された。護衛として、軍事宇宙船Rickenbacker号もVon Braun号に接続される形で同行することとなり、多くの兵士が船へ乗り込んだ。 5か月後... Von Braun号は太陽系外の惑星Tau Ceti Vから謎の信号を受信。乗組員たちは調査を開始し、奇妙な卵を発見した。彼らはそれを船内に持ち帰って調査を始めた。 だが、その卵の正体は、42年前、狂ったSHODANが生み出し、ハッカーの手で研究エリアごと切り離され宇宙ステーションの外に廃棄されたはずの生体兵器だった。 生体兵器に寄生された人間たちは正気を失い、船のAIを乗っ取り、セキュリティシステムや警備ロボットを掌握し、正常な人間たちを追い詰める。 プレイヤーは宇宙船Rickenbackerの兵士。コールドスリープから目覚めた彼は船内が荒廃し、人々が謎の怪物に襲われている光景に遭遇する。 コールドスリープのエラーにより、船内での記憶がはっきりしない。生き残りの科学者から通信を受け、自分がエイリアンに寄生された反乱分子たちに対抗するためにコールドスリープ中にサイバー改造されたのだと説明される。 プレイヤーは生き残りの科学者と合流するため、行動を開始する…… 特徴 RPG要素 FPS視点だがアクション要素は薄く、もっぱらアイテム管理やスキル配分に焦点がおかれ、RPG要素が強い。 プレイヤーの能力は『基礎能力(statistic)』『技術(tech)』『戦闘(combat)』『超能力(psi)』の4つに分かれていてゲーム中の特定の場所で、アイテム『サイバネティック・モデュール』を消費して強化することができる。サイバネティック・モデュールはゲームを進行させると自動的に取得できるほか、船内に落ちているものを拾うことも可能。戦闘で敵が落とすことはないのでいわゆる経験値稼ぎのようなことはできない。 『Statistics』 近接攻撃力と持ち運べるアイテムの量を決めるSTRENGTH、最大HPを決めるENDURANCE、移動速度や攻撃速度を決めるAGILITYなど、プレイヤーの基本的な能力を決定する。 『TECH』 ハッキング、武器の改造・修理、未知の物質の調査などの技術的な能力。 『COMBAT』:物理武器、エネルギー兵器、重火器、宇宙由来兵器などの武器の取り回しの能力を決める。これが低いと新しい武器を見つけても装備できないことがある。 『PSI』:いわゆる超能力。遠距離攻撃や念力などが使える。極めると非常に強いが、それぞれのPSI能力にサイバネティック・モデュールの消費が大きく、他の能力との併用が難しい。別に使わなくてもクリアできるので上級者向けの能力になるだろう。 その他、ゲーム中の各地に置かれている装置からひとつずつ、一周で4つまで取れる特殊能力、O/Sアップグレードがある。 移動速度を増したり、回復アイテムの効果を増したり、自動販売機のアイテムの値段を下げたり、近接攻撃力を増したり……プレイスタイルに応じた様々な能力が得られる。 中には、ほとんど無価値な能力があったり、プレイスタイルによっては無意味だったり、ゲームの進行度によっては全く無意味になるものもあるので慎重に選ぼう。 難易度設定や、協力プレイかソロかによって価値が変わるものもある。(*2) 戦闘 いかに『上手く敵を倒すか』というFPS的な要素より、『いかに限られた物資を上手く活用して切り抜けるか』に焦点が当てられている。 戦闘は狙って撃つ、近づいて殴るというだけのシンプルなものだが、銃弾には『通常弾』『装甲貫通弾』『対人弾』などの種類がある。敵に合わせて有効な銃弾を使用したり、あるいは温存したりするのが重要になるだろう。 もちろん銃弾の入手法は限られていて持ち運べる物資の量も限界がある。弾丸の温存のためには近接攻撃に頼る必要もある。 ハッキング 貴重な銃弾やHPを温存するためにハッキングを駆使することも重要な戦略になる。 寄生生命体に乗っ取られたセキュリティシステムをハックして監視カメラを止めたり、防衛タレットをハックして自らの戦力にしたり、パスワードのかけられた保管庫をこじ開けるなど、ゲームプレイを有利に進めることができる。 ハッキング、改造、修理などの技術系スキルを駆使するときは、基本的にすべて同じミニゲームを行うことになる。 単純に言ってしまえば3目並べ。同じ方向に3つの白いコマを並べることができればハッキングや改造に成功することになる。 ただし、指定したマスにコマをおけるかどうかはスキルによる確率で決まる。 コマを置くことに失敗した場合、そのマスは暗くなり、二度とコマをおくことはできない。 盤上にはいくつか「危険マス」があり、そこにコマをおくことに失敗した場合、警報が鳴らされたり、武器が壊れるなどの『大失敗』になる。 単純なミニゲームで、無理だと思ったら何回もやり直すことができる。しかし、ミニゲーム中もゲームはリアルタイムで進行するため油断は禁物。 PSI(超能力) PSI用の道具を装備し、PSI能力を持っていれば様々な超能力を使うことができる。 回復、遠距離攻撃、自己強化などRPGの定番能力もあれば、テレポート、通貨を消費して所持している銃弾や消費アイテムを複製などの特殊な能力もある。 上手く使うとチート級の能力を持つものもあり、RTA(早解き)などに利用されることもあるが、基本的に上級者向け。 PSIの能力はタメて使うことでより大きな効果を発揮することが出来る。ただタメすぎるとPSIが暴走してダメージを受けてしまうため慎重に使う必要があるだろう。 サイバネティック・モデュールも一つのPSI能力ごとに支払う必要があるので、コストが大きく他の能力を上げる妨げになる。PSIを活用したいならば、ゲームに慣れた2周目以降にPSIキャラを作るのが良いだろう。一周目からPSIキャラで進めるのはオススメできない。 通貨(nanite) 船内には未だに自動販売機などの設備が動いている。宇宙船内の通貨、万能物質「nanite」を使って色々なアイテムを購入できる。 ただし基本的に割高。ハッキングを駆使して値段を下げても簡単に必要物資を集めることは難しい(*3)。 ハッキング、修理、武器改造など技術系のアクションでも必要となる。アイテム購入よりもこちらの用途で多く使うことになるだろう。 船内各所に置かれている手術ユニットでHPを全回復するのにもnaniteが必要になる。 また、naniteはプレイヤーが死亡した際、肉体を再生し復活するための材料にもなる。蘇生費用は回復アイテムの値段より安かったりする。 調査 エイリアンに寄生された人類や、人体改造されたものたち、エイリアンの未知のテクノロジーなどを調査して、未知の物質を武器にしたり、敵の弱点を見つけだして与えるダメージを大きくすることができる。 調査には調査(research)スキルが必要になり、場合によっては実験の試料としてさまざまな化学物質が必要になる。 十分なスキルと試料さえあれば、あとは自動で調査が完了する。 いちいち試料をとりに戻ったりすることや研究結果を待つのが手間だが、敵や未知の物体の情報が得られるので雰囲気作りに貢献している。 オーディオ・ログ 精神的続編のバイオショックシリーズと同様、直接別のキャラクターと接触する機会は少なく、多くは船内に残されたオーディオ・ログ(音声記録)のメッセージから船内で起こった出来事を推測することになる。 バイオハザードのFILEのようにホラーの雰囲気作りにマッチしている。一人の登場人物がいくつものオーディオ・ログを残してサブストーリーのようになっているものもある。 バイオハザードの「かゆい……うま…」のような王道ホラー展開のものも。 中にはパスワードのヒントを示すなど、ちょっとした謎解き要素もある。 敵の再配置 船内で倒した敵は一定時間で復活するようになっているが、最初の配置で復活するとは限らない。 一度敵を掃討したエリアに再び戻ったとき、最初は敵がいなかった曲がり角で敵とバッタリ遭遇!といったシチュエーションを狙ったもの。 ゲームは基本的にリアルタイムで進行し、オプション画面を開いたときくらいしか進行は止まらないので、いつ敵が再び現れるか分からないという緊張感が持続する。 評価点 サバイバルホラー要素 一度に持ち運べる物資を吟味したり、弾丸を温存したり、武器がいつ壊れるか戦々恐々としたり、物資を求めてオーディオログを手掛かりに探索したりとサバイバルホラーのエッセンスが詰まっている。 閉鎖された宇宙船内、地球外生命体に寄生された乗組員、あちこちに残されたオーディオログなど、まるでSFホラー映画をそのままゲームにしたかのような雰囲気作りに成功している。 敵の再配置のランダム性もどこから敵が飛び出してくるか分からない緊張感を生み出している。直接的なホラー演出が少ないにもかかわらず、ホラーゲームランキングに名を連ねることが多いのは、とだえることのないことのない緊張感によるところも多いだろう。 ストーリー オーディオログで語られる生存者たちの戦いや、災厄が始まる前の不穏な雰囲気などの表現が秀逸。 寄生された人間たちと戦う兵士、二人で逃げることを決意した恋人たち、徐々に人外の存在に変異していく様子などサブストーリーが本編のホラーな雰囲気を盛り上げる。 進行の自由度の高さ 敵に真正面から突っ込むだけでなく、ハッキング能力を駆使してセキュリティを無効したり防衛システムを自分の味方につけることが可能な他、超能力を駆使して透明化することで敵を素通り出来たりと自由度が高い。 スキルポイントの割り振りも自分で決めることができ、色々なキャラクターが作れる。近接攻撃特化型、重火器使い、超能力者など。一周目であまり使えなかった装備を2周目で重点的に使ってみたり、あえてハッキングを封印したり、PSI特化にしてみたりと色々なプレイスタイルが楽しめる。 武器も豊富で、ピストル、ショットガン、アサルトライフルといった定番武器から、ロケットランチャーなどの重火器、レーザー銃、ビームサーベルなどのSF武器、未知のよくわからない物質やエイリアンの体組織の一部を使ったグロテスクな装備…など。 スキルが足りないとできない行動も多いが、PSI能力やアイテムを使って一時的に能力を上げることもできる。 数は限られているが確実にハッキングに成功したり、確実に武器を改造できるなど、スキルの代替となる消費アイテムもある。 慣れてくると、アイテムやPSIを駆使して、無駄のない効率プレイを追求することができる。 基本的に探索とストーリー進行以外で経験値(サイバネティック・モデュール)が手に入ることはない。従って、敵を延々と倒したりする必要がなく、逃走したり、迂回したり、隠れてやり過ごしたりといった戦術を選びやすい。 充実したアイテム 武器はスタンダード(標準)、エネルギー、重火器、エキゾチック(宇宙由来)の4つのジャンルに3つずつの武器+レンチ。ただし銃弾をいくつか選べるものもある。銃火器の場合、2種類のモードを使い分けることができる(*4)。また、4つのジャンルどの武器をメインで使っていくかによりプレイスタイルが大きく変わる。また、銃火器はスキルやアイテムを使うことで2段階に強化することが可能。同じ種類の武器でも改造度合いや武器の状態によりどれを使っていくか選ぶことになる。 スタンダード武器はピストル、ショットガン、アサルトライフルなどの一般的な武器。 銃弾を変えることで人間系、ワーム系、ロボット系全てに対処できるもっともオールラウンドな武器種。 使用にはコンバットスキル以外にこれといって特殊なスキルが必要なく、武器も序盤から手に入るので最も初心者向きと言える。 エネルギー武器にはレーザー銃やビームサーベルなどSFチックな武器がある。 使用に必要なのは銃弾ではなく電力。電力は船の設備で何度でも補充できるので銃弾は実質無限。 その分レーザー銃の威力は控えめであり、ロボット系以外には弱いという弱点がある。 充電の容量が増えるのでMaintenanceスキルと相性がいい。 重火器武器には作中でも強力かつ扱いやすいグレネードランチャーがある。 グレネードランチャーには5種類の弾丸があり、弾丸を変えることでほとんどの敵に対処できる。 しかし重火器系はグレネードランチャー以外は「相手の動きを遅くする」「いまいち弱いキャノン」など微妙な武器が多い。 グレネード弾薬はゲーム中、豊富に見つかるが、種類が多くインベントリ内のスペースをとるため、Strengthと相性がいい。 エキゾチック武器は宇宙由来の鉱物や宇宙生物を利用した生体兵器など。 強力な近接武器があるが、遠距離攻撃武器の入手が遅く、弾丸の入手法も限られる(*5)ため上級者向け。 生体兵器は人間や宇宙生物には強いが、ロボットには全く効かないという弱点がある。 エキゾチック武器はすべて未知の物質なので使用するためにResearchスキルを使った調査が必須。 防具にもいくつか種類があり、誰でも着れる軽い鎧、Strengthが必要になる重い鎧、充電が必須だが非常に強力な鎧、その他放射線や毒などに強いスーツなどがある。 インプラントというアクセサリのような装備もある。 充電が必要で着用中は少しずつ電力を消費するが、スキルを一時的に上げることができる。 未知の物質 調査することで敵の弱点を発見し与えられるダメージを増すものや、調査後にアイテムとして使えるようになるものなどがある。 意外なものが回復アイテムだったり、ただの肉片だと思っていたものが装備品だったり、色々と予想外。 その他食べ物や飲み物、タバコ、置き物など事件前の船内の日常を想像させるようなアイテムも入手可能。 効果は微妙なものが多いが、使わないアイテムはリサイクルしてnaniteに変換することもできる。 世界観設定 落ちているオーディオ・ログから事件前の船内の日常、事件発生の経緯、戦いの様子などを知ることができる。 船内には何種類ものアイテムが落ちているがそれらすべてに説明テキストがある。ポテトチップやマグカップ、炭酸飲料にさえSF的な説明があり(*6)、世界観を補完しつつ、ちょっと笑える要素もある。 ゲームの舞台は宇宙船内だけなのだが、過去数十年間の地球の状況や登場人物の過去まで細かく設定されており、断片的な情報を集めることで背景となる物語が分かるようになっている。 独創的な敵キャラクター SFの設定を生かした生物的なグロテスクモンスターと無機質な機械的ホラーな敵が混在している。 そのキャラクターが作り出される様子が記録されているオーディオ・ログもあり、元となった人間の悲惨な運命を想像させる。 ハイブリッド(寄生された人間) 胸から触手が伸び、頭部に接続されているという驚異の外見の雑魚敵。宇宙生命体と人類の混成体(ハイブリッド) わずかながら人間の意識が残っており、鉄パイプで殴りかかってきながら「アイムソォリィ(すまない!)」だの「ラン!(逃げてくれ!)」などと呼びかけてくる。実際かなり不気味。 サイボーグ助産婦 宇宙生命体の卵の世話をするためにサイボーグに改造されてしまったナースたち。 機械音声混じりの声でプレイヤーに語りかけてくる。ハイブリッドと対照的な敵キャラ。 プロトコル・ドロイド 改造された作業用ロボット。 プレイヤーを発見すると接近してきて、自爆し、大ダメージを与えてくる。 穏やかで無感情な機械音声、機械特有のぎこちない速足、扉の反対側からでも聞こえてくるウィーンウィーンという駆動音など、ロボットも十分ホラーの敵キャラ足り得るのだということを実感させるキャラクター。 BGM・サウンド 宇宙船内の閉塞感と緊張感を支えるBGMも評価が高い。チュートリアルで間接的に船の壊滅的状況を見た後、満を持して敵が現れる「科学-医療エリア」のBGMは是非実際のゲームプレイで聞いてもらいたい。 SEも秀逸。鳴り響く足音、何らかの機械の駆動音、アイテムや端末にアクセスした時の電子音、水の音など、とにかくリアルで、グラフィックは時代相応なのに、本当に宇宙船の中にいるような閉塞感を味わえる。 半ば寄生生命体に乗っ取られた船員やサイボーグ化した女たち、ロボットやAIの電子ノイズ混じりの声など、音声が効果的に使われており、臨場感のある恐怖演出になっている。 お遊び要素 船内には携帯ゲーム機が落ちていてソフトを集めるとミニゲームをプレイすることができる。 内容はどこかで見たようなゲームばかり(*7)だがやたらと数が多く一種の収集要素になっている。 もちろんゲームに興じている間も敵は待ってくれない。遊んでいる間に背後から襲われないように注意。 十分なハッキングスキルを持っていればゲーム機をハッキングして、ソフトなしで全てのゲームをプレイできるようになる。またOverworld ZeroというRPGミニゲームでスタート時にボーナスが得られる。 Overworld Zeroのラスボスを倒すとnaniteがもらえる。 訓練生時代のチュートリアルエリアでバスケットボールを拾い、宇宙船のレクリエーションエリアのゴールにシュートすると特殊なメッセージが受信される。 食べ物・飲み物などの日用品にもアイテムテキストが設定されている。ほとんど無価値なアイテムでもパロディを組み込んでプレイヤーを飽きさせない。 問題点 古いゲームならではの欠点 バイオハザードやデッドスペースに見られるようなアイテム保管システムがない。 一度に持ち歩ける物資の量には制限があるので不要なアイテムはその辺に置いておくしかない。 特にStrengthの低いキャラは悩まされることになる。 マップに目的地が表示されない。 現在の目的はいつでも確認できるが、マップには表示されないため自力で探す必要がある。 「あるオブジェクトを数個探し出して破壊せよ」のような指示が出されたとき、オブジェクトを見逃したままステージの最後まで進むと逆戻りして探して破壊しなければならない。 キャラクターのグラフィックの使い回しが多い。船員の死体、寄生された船員(鉄パイプ)、寄生された船員(銃)、寄生された船員(手榴弾)…誰もが同じような陰気な顔をしている。(*8) オーディオログに表示されるキャラクターは一応ちゃんとそれぞれの顔グラがある。 ほぼ縛りプレイ同然のステ振り 技術特化、戦闘特化、PSI特化など、最初の選択で様々な兵科の選ぶことができるがバランスが悪い。 ゲームシステムを理解していない初回でまともにプレイできるのは、ほぼ「スタンダード武器+ハッキング」のスタイルくらい。 序盤はピストルやショットガンのようなスタンダード武器しか落ちていないため、エネルギー武器や宇宙由来武器特化は中盤までレンチ一本で頑張ることになる。 超基本の遠距離武器であるピストルですら、兵科選択によってはスキルが足りず、序盤で装備できない場合がある。 アレ……主人公って軍人じゃ…… PSIも同じく、PSIエネルギー補給アイテムが少ない序盤においてはかなり節約して使う必要があり、PSI自体の扱いにくさも相まって、初心者向けではない。 壊れかけ武器を修理できる代替消費アイテムの存在により、ほぼ産廃となっているスキルもある。 蘇生装置 各ステージにはひとつずつ蘇生装置が存在し、作動させた後に死亡すると、naniteを消費してそこから復活することができる。 一見蘇生装置はチェックポイントのようにも思えるが、実は違う。蘇生装置を作動させていないエリアで死ぬと即ゲームオーバーでタイトル画面に。 この仕様を理解していないと「どうせチェックポイントがあるから」とセーブせずに進めて死亡し、長時間のプレイが無駄になることも。 あくまで蘇生装置なので、ステージの環境はリセットされない。警報装置が作動して敵が大挙して押し寄せている場合、その状況はそのままで蘇生される。 蘇生されるとHPが満タンになる なんてことはなく、瀕死のHPのまま放り出され、殺されて復活→また殺されるという無限ループでnaniteが枯渇することも。 また、naniteがある限りいくらでも復活できてしまうためホラーに水を差すように感じられるかもしれない。 一息つける場所がない バイオハザードのようなセーブ部屋がなく、敵は一定時間で復活するため(*9)、特に初回プレイ時には緊張が続き、プレイには気力がいる。 装備メニューを開いたり、ハッキングしているときもゲーム内で時間は進んでいくため、常に背後に気を付けなければいけない。 HPを満タンにできる機会さえかなり限られているため(*10)、『一息つける』という場面はほとんどなく、慢性的にHPの残量と弾丸の残りに悩まされるだろう。 その他 後半に「エリアに設置されている絵画の中からパスワードが隠されているものを探してきてパスワードを入力する」という非常に面倒臭いクエストがある。 外れの絵画も多く、数枚の絵画(というか絵画表示ディスプレイ)をいじってパスワードを探しメモる必要がある。 パスワードは固定なので攻略サイトを見ればスキップできるイベントなのが救いかもしれない。 ロボット系の敵は倒すと自爆するので、自爆覚悟で接近戦で倒してHPを消費してから回復するか、銃弾を消費してトドメを刺すか、どちらにしろ物資を消費する必要が出てくる。 総評 前作『System shock』と合わせて『Dead Space』、『バイオショック』、『メトロイドプライム』に通じるような閉鎖環境下のサバイバルホラーFPSの起源とも言えるような作品。 また、それと同時に「プレイヤーが自由にステータスを振ることができ、キャラクターの個性によってプレイスタイルが大きく変わる」「ハッキング・探索・破壊工作・収集といった、敵との戦闘以外の要素の比重が多い」というRPG的・ADV的要素を取り入れた「イマーシブシム」ジャンルの走りとしても知られている。 SFホラーをそのままゲームにしたような雰囲気、BGM、オーディオログによるストーリーテリングなどは全般的に評価が高い。 一方で古い作品だけあって、古臭い不便さもあり、プレイするときはある程度の面倒臭さを許容する必要があるだろう。 売りである自由なステ振りもやや練り込み不足で、初回プレイ時はハッキング+スタンダード武器の構成でなければ早々にゲームを投げ出してしまう人が多い。 それでも、現代でも通じる良質のサバイバルホラーであることは間違いない。 未知の存在に心もとない物資で挑む恐怖と緊張感が好きなサバイバルホラーゲーマーであれば、「古臭さ」などのいくつかの障害を乗り越えてしまえばとことんハマれるだろう。 現在では復刻されており値段も安いため、気軽に挑戦することができる。 余談 本作はEAとは別に損害保険会社であるMeadowbrook保険グループが知的所有権を持っており、両者の間で権利問題が生じていたことから長らく絶版状態にあった。DL販売が実現したのはNight Dive StudiosがMeadowbrookとの交渉でデジタル版に特化した販売権を獲得したことによるものであり、PCゲーマーの間でも高評価を得たことで、同社がその後多くのクラシックPCゲームの復刻を手がけるきっかけにもなった。 実はWindows版はオンライン協力プレイができる。陰気な顔をした仲間たちと一緒に、貴重な物資を奪い合いながら宇宙船でサバイバルしよう! System Shock2の特徴である、戦闘と探索の両立、オーディオログによる間接的ストーリーテリング、特殊な装備や超能力を駆使した様々な攻略法といった要素は後のゲームにも強い影響を与えた。代表的な作品はBioShock、Dead Space、Preyなど。 今作から影響を受けたと言われるDead Spaceだが実はそもそもSystem Shock 3として開発されていたのではないか? という噂もある。 宇宙生物に乗っ取られた宇宙船というシチュエーション、キャラクターの強化要素、敵エイリアンの設定、アイテムメニューを開いてもゲーム時間が止まらない、船内に散らばったオーディオ・ログ、武器に2種類のモードがあるなど共通点が多数見受けられる。 ゲーマーの間ではSystem Shock 3を作ろうとしていたのだが、System Shockシリーズの権利を獲得できなかったため、設定を変更してDead Spaceとして発売されたのではないかと推察されている。 ちなみにDead Spaceが発売されたのはSystem Shockシリーズの権利が消滅した翌年である。
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サイバーナイト 【さいばーないと】 ジャンル ロールプレイング 対応機種 PCエンジン メディア 4MbitHuカード 発売元 トンキンハウス 開発元 コンパイル 発売日 1990年10月12日 定価 6, 800円(税別) プレイ人数 1人 判定 なし ポイント 全体的に独特なシステムゲームバランスはもう一歩 概要 ストーリー システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 移植・その他の展開 概要 『ソード・ワールド』や『ロードス島戦記』などのテーブルトークRPGで知られる「グループSNE」が企画・シナリオに参加した、未来の宇宙を舞台にしたロールプレイングゲーム。メカニックデザインには『機動戦士ガンダム』で有名な大河原邦夫氏が携わっている。プレイヤーは宇宙戦艦「ソードフィッシュ」のコマンダー(指揮官)となり、戦闘時のトラブルにより宇宙のはるか彼方へとワープしてしまった戦艦を、生き残ったクルーたちと共に地球へ帰還させるのが目的となる。 ストーリー A.D.2352年。傭兵部隊の宇宙戦艦ソードフィッシュは、任務中に宇宙海賊からの奇襲攻撃を受けた(*1)。激しい戦闘により機体は損傷し、キャプテンを始めとしたクルーにも多数の死者が出てしまった状況で、主人公であるコマンダーは、危険を承知の上で、空間を飛び越えるジャンプ・ドライブの使用を命じた。機体の損傷により座標が定まらないままジャンプした戦艦は、地球から約28,000光年離れた銀河系の中心へと移動してしまう。わずかに残された6名の戦闘員を含む23名のクルーは、果たして生存する事は出来るのか、地球へと帰還することは出来るのだろうか……。 システム SFを軸としたRPGだが、その多くが独特のシステムを擁しているため、具体的に説明していく。 ゲームの進行 基本的には戦艦で恒星・惑星を移動→惑星を調査し着陸→「モジュール(いわゆるパワードスーツ)」を装着しての惑星内の探索・情報収集、あるいは敵の殱滅、重要アイテムの獲得→シナリオの進展により恒星・惑星を移動の繰り返しとなる。 戦艦(ソードフィッシュ)での行動 戦艦ではコマンド選択式の行動となる。戦艦内は5つのブースに分かれており、各所で様々な行動を行える。 ブリッジ恒星・惑星間の移動や惑星の調査、着陸を行う。ストーリーが進むにつれて戦艦の性能が上がり、移動範囲は広がっていく。 恒星は7×7マスの地図上に散らばっており、計26の恒星内には、さらに複数の惑星が存在する。惑星は様々な要素で出来ており、生命体が確認できて着陸可能なものはごく僅かである。 ラウンジ戦闘員のデータ閲覧や、出撃するメンバーの入れ替えができる。5名の戦闘員キャラクターから1~3名を選んで出撃チームを編成するのだが、その際に必ず主人公1名が含まれていなくてはならない。 なお、シナリオの進行状況によっては、必ず連れて行かなければならないメンバーも存在する(後述)。 ラボ敵との戦闘により手に入る「トレジャー」を解析することで、新型武器の開発やモジュールの強化ができる。 作品中は金銭の概念が存在しないため、装備品やモジュールの強化は、このラボが中心となる。 メディカル戦闘員の負傷の治療、死亡した戦闘員をクローン技術で再生するほか、パスワードの表示やバックアップユニットによるセーブもできる。 「出撃前に保存しておいた記録データを基にクローンを作る」という設定のため、クローン再生した際は経験値が出撃前の状態に戻ってしまう。 なお、物語冒頭の宇宙海賊の奇襲を受けた際に記録データを破損してしまったため、この時に死亡したキャプテン達のクローン再生はできない。 また小説版によると同一人物を複数作ると発狂してしまうため有能なキャラを量産することも不可能(*2)。 ハンガーモジュールの修理、武器・オプション・フィールド(防御用アイテム)の装備、修理・治療用キットの補充、戦闘員が装着するモジュールの選択、モジュールおよび装備のデータ閲覧ができる。モジュールは用途別に5タイプがあり、3人がそれぞれ別のタイプのモジュールを装着することになる。武器は遠距離攻撃用と近距離攻撃用に大別され、さらに両手持ちと片手持ちがある。オプションは通常武器に比べ強力な攻撃が可能で、すべて遠距離攻撃用に分別される。各オプションごとに弾数制限がある。フィールドは戦闘終了時まで有効な防御用アイテムである。1個使うと消費する。 各装備品には3種類のサイズと5種類の属性があり、モジュールによって装備できる条件が異なる。敵に特定の防御属性がある場合、全くダメージが入らないこともある。同様にフィールドを利用することで特定の攻撃属性から全くダメージを受けなくすることもできる。 また惑星着陸時は、ここから出撃をする。戦艦への帰還時もハンガーが到着先となる。 惑星での行動 惑星内はいわゆるフィールド型RPGの要領で行動する。 街や集落では住民から情報を得ることができる。シナリオ進行において重要な情報を持つ住民は、その場を動かず微動だにしない場合がほとんどである。 「どんな有害物質や病原菌があるか判らない」と言う理由で、主人公達は街中でもモジュール姿である。まぁメタ的には容量節約が理由だろうが(ソードフィッシュ内はテキスト表示)。 屋外フィールドでは、ランダムエンカウントによる敵との戦闘が発生する。重要アイテムの探索、ダンジョンへの移動が主目的となる。 ダンジョンでは、屋外フィールド同様に敵との戦闘が発生する場合が多い。重要アイテムの探索のほか、敵ボスの殱滅などが主目的となる。目的を果たすと「ミッション完了」のメッセージが表示され、自動的にダンジョンの外に出ることもある。 メニュー画面では、キットを使用しての戦闘員の治療やモジュールの修理が出来る。キットは治療用・修理用それぞれ最大10個まで持つことができる。 敵との戦闘 戦闘時は6×6マスの戦闘フィールド画面へと移行する。戦闘はコマンド選択型のターン制となっており、味方の初期配置は戦艦内のラウンジでの選択順によって固定されている。 ターンの最初に「戦闘」と「逃亡」が選択可能。逃亡に失敗すると、そのターンは敵のみが行動可能となる。 3人の味方は、それぞれフィールド内の移動設定をした後、「攻撃」「オプション」「防御」「装備」の各コマンドを選択する。「攻撃」は弾数制限なしの通常攻撃。「オプション」は弾数制限のあるオプションによる攻撃。所持数内であれば、複数個を同時に使用することで、敵に個数分のダメージを与えることもできる。「装備」はさらに「武器」と「フィールド」が選択でき、「武器」では使用武器の変更が可能。「フィールド」では戦闘終了まで有効な防御アイテムを使用する。武器変更以外のコマンドは1ターンを消費する。 移動範囲はモジュールの性能により変化する。基本的に装甲値の低いモジュールほど移動範囲は広い。 攻撃には近距離攻撃と遠距離攻撃がある。縦・横もしくは斜めに敵が隣接すると強制的に近距離攻撃となる。この場合、コマンド選択時に攻撃目標を遠距離の敵にしていたり、遠距離型の武器やオプションを使おうとしていたりすると、そのターンは攻撃不可となる。逆に敵との間に距離があると強制的に遠距離攻撃となり、コマンド選択時に攻撃対象を隣接する敵にしていたり、近距離型の武器しか装備していない場合はそのターンが攻撃不可となる。また複数の味方が同じ敵を攻撃目標として、先に敵を倒してしまった場合、後から攻撃する味方はそのターンが攻撃不可となる。 敵にも同じことが言える。近距離攻撃しかできない敵は、距離を離すことで攻撃不可となり、逆に遠距離攻撃しかできない敵は、隣接することで攻撃ができなくなる。 移動順および攻撃順は、各キャラクターの素早さに応じて決まる。なおモジュールによる素早さの影響はない。 戦闘員には「LP(ライフポイント)」が、モジュールには「EP(エネルギーポイント)」がそれぞれ設定されており、敵からの攻撃によって各ポイントが減少する。LPが0になると戦闘員は死亡し、戦艦のメディカルで治療するまで行動不能となる。EPが0になるとモジュールが破壊され行動不能となるが、戦闘終了後にリペアキットを使用することで修復が可能となっている。 戦闘中に味方全員のLPもしくはEPが0になるとゲームオーバーとなり、タイトル画面へと戻される。 前述のとおり、各装備品には、5つの属性が存在しており、敵の防御属性によっては、まったくダメージを与えられない場合もある。戦闘中に戦艦の人工知能から、敵の防御属性情報が送られてくるため、これを参考にした上で武器の装備変更を行うこともある。 敵をすべて倒すと戦闘終了となる。各戦闘員は経験値を獲得し、一定量で各スキルがレベルアップする。また、敵の残骸から「トレジャー」を発見することがある。トレジャーは前述の戦艦のラボにて、新武器の開発やモジュールの性能強化に使用する。 成長要素 戦闘員には「コンバット」「メカニック」「サイエンス」「メディック」の各種スキルが設定されており、経験値を貯めることで、各種スキルランクがアップする。「コンバット」は通常戦闘能力、「メカニック」はモジュールの修理能力、「サイエンス」は敵残骸からのトレジャーの発見能力、「メディック」は戦闘員の治療能力にそれぞれ反映される。すべてのスキルを持つのは主人公のみで、他の戦闘員はそれぞれのクラス(職業)に応じて高く成長するスキルもあれば、まったく成長しないスキルもある。 経験値は敵との戦闘以外に、フィールド上での治療や修理、トレジャーの発見、ミッションを完了しての戦艦への帰還時にも獲得できる。特にミッション完了時の経験値は敵との戦闘よりも遥かに高い経験値を獲得できる。 このあたりは、テーブルトークRPGを得意とする製作陣ならではの手法といえる。 + 主要キャラ紹介 苗字は小説版で追加されたもの。小説版では他にも名前付きのクルーが登場している。 主人公(ネームエントリー可能(*3)):コマンダー 戦艦ソードフィッシュ戦闘指揮官。キャプテン(船長)の死亡・再生不可により、キャプテン代理となる。ゲーム開始時にパロメーターを振り分けることで、独自の性能となる。すべてのスキルを満遍なく覚えることができる。パーティーから外すことはできない。 クレイン・キューバート:ソルジャー 血気盛んな男性。戦闘能力の中でも、体力に長けていて重量級のモジュールも装着可能。コンバットスキルは高く伸びるが、サイエンススキルとメディックスキルは成長しない。 キリ・ザンジヌ:ソルジャー 短髪で褐色の女性。戦闘能力の中でも、素早さに長けている。スキルの成長値はクレインと同じである。 シャイン・リー:サイエンティスト 理系で爽やかな優男。戦闘能力は低い。サイエンススキルは高く伸びるが、メカニックスキルとメディックスキルは成長しない。シナリオ上、理系の知識を活かすためにパーティーに組み入れなければならない場面がある。 ヴィンド・ベルク:メカニック サングラスをかけた大柄の男性。戦闘能力はそこそこ。メカニックスキルは高く伸びるが、サイエンススキルとメディックスキルは成長しない。シナリオ上、メカの知識を活かすためにパーティーに組み入れなければならない場面がある。 二ジーナ・バリスコフ:ドクター 知的で温和な女性。戦闘能力は低い。メディックスキルは高く伸びるが、メカニックスキルとサイエンススキルは成長しない。 MICA ソードフッシュのメインコンピューターで女性人格のAI。敵である「バーサーカー(*4)」へのネーミング(*5)は彼女がおこなっている。『II』では本作以上に重要キャラ。 + モジュール紹介 レックス 各能力、装備品の最大所持数ともに平均的な万能型モジュール。インパクト、レーザー、ビーム系武器を装備できる。カタログ上の格闘能力は高くないが、移動力がそれなりにありレイブレードとの相性が良いため目立った欠点が無い。 ウィナー 基本能力はレックスとさほど変わらない汎用型だが、EPが低くオプションの最大所持数が少ない。インパクト、レーザー、ヒート系武器を装備できる。専売特許のヒート系武器は一部環境から悪影響を受けるが、防御手段が存在しないため敵は選ばないのが利点。 シェリフ 移動と回避に特化しており、EPと装甲は最も薄い。Lサイズのオプションを運用できるものの最大所持数はウィナー以上に少ない。インパクト武器のみ装備できる。被弾=即死に近い状況では回避能力が光る一方、汎用性は低い。 タイタン 装甲と防御に特化した射撃戦用の重量級。EPと装甲は高めだが移動と回避能力に劣る。武器とオプションの最大所持数が多く、装備可能な武器も豊富。インパクト、レーザー、ビーム武器を装備できる。 サウルス 最高の格闘能力と装甲、EPを誇る格闘戦用重量級モジュール。スペシャル系格闘武器はゲーム中最強の破壊力を誇るが移動能力が低いため接近に苦労する。武器とオプションの最大所持数は少ない。インパクト、スペシャル系武器を装備できる(スペシャル武器の属性はインパクト扱い)。 評価点 他に類を見ない独特なシステム それまでのRPGと比較して、移動方法から戦闘方法、強化や成長に至るまで、非常に独特のシステムを搭載しており、それらがゲームそのものを破綻させることなくパッケージングされている。オリジナリティの高さという点で大いに評価できる。 フィールド上の移動や、マス目を利用した戦闘システムは従来のRPGでも存在したが、近距離と遠距離の攻撃を使い分けたり、基本的な移動自体は戦艦でのコマンド選択で行なったりするなどのシステムを採り入れることで、独自性を高めている。 特に恒星間を移動することにより、金銭的価値を無い物とする世界観であることから、武器やモジュールの強化を敵の部品から分析して開発するというシステムは、ドラクエライクなRPGに慣れ親しんだ当時のゲームプレイヤーからすれば、非常に斬新かつ世界観を損ねないシステムとして評価できる。(「出撃して中身不明のトレジャーを拾い集めて帰還、拠点で中身を解析するとたまに強力武器や重要アイテムが出てくる」というシステムは『Wizardry』からの影響を感じさせるが、元ネタ同様のくじ引き感を醸し出しており、本作の熱中度をいっそう高めている) 「規定の種類・数の素材を集めて消費することで武器やモジュール(キャラ)を強化できる」というシステムは今はごくありふれているが、この時代においてはMMORPGに特有のものと考えられており、ソロプレイRPGでの採用は先例が少なく新鮮であった。素材集めの為に戦闘を繰り返す、今で言う「トレハンゲー」の先駆者であると言っても過言ではないだろう。 実績に裏付けされた世界観の構築 数々のテーブルトークRPGを手掛けてきたグループSNEの面々が携わっているだけあって、ゲーム内の世界観や「モジュール」などの高度な技術、各惑星の文明などの設定がしっかりと構築されており完成度が高い。 戦艦の人工知能である「MICA」から発信される各種の情報や、戦闘員をはじめとしたクルーたちの会話には、「モノポール・コイル」や「ジャンプ・ドライブ」といったオリジナルの設定が備わった用語や、「クローン」や「ジェネレーター」などのSFならではの高度な技術様式を踏まえた内容が散見され、ゲームの雰囲気作りに効果を発揮している。 「モジュール」の魅力 5名の戦闘員キャラクターは、それぞれタイプの異なる「モジュール」(いわゆるパワードスーツ)を装着して出撃する。これには複数箇所の武装取り付けポイントがあり、入手した武装を自分で装備してカスタマイズしていく楽しさがある。武装には格闘、射撃の大別の他、インパクト(マシンガンなどの実弾武器)、レーザー、ヒート(火炎放射等)といった属性があり、敵によって有効な武器は異なる。またモジュールごとに装備可能な武器にも差異があるので、武装カスタマイズとパーティ編成を工夫しなくてはならない。これが非常に楽しく、熱中している間にけっこうな時間が過ぎてしまう。 モジュールのデザインも、先述の通り全盛期の大河原邦男氏が手掛けており、とてもかっこいい(等身大らしさに乏しく巨大ロボットに見えてしまう機体が多いのはご愛嬌だが)。ゲーム内の戦闘シーンでも、簡易ではあるがアニメーションで交戦の様子が描かれ、モジュールの個性と魅力が表現されている。 レベルアップ作業が簡易的 戦闘員のレベルアップ要素は「ミッションの完了」が大半と言うグループSNE作品らしいTRPG的バランスなので、一般的なCRPGにありがちな敵を倒してレベルを上げる「作業」がシステム上ほぼ存在しない。モジュールや装備品の強化も、お金を貯めて購入するわけではなく、せいぜい目的の敵を倒してトレジャーを発見するという範疇に収まっている(発見率もそれなりに高い)ので、ダラダラとプレイ時間を浪費することなく、ストーリー進行に注力できる点は評価できる。(先述の通り「トレハンゲー」の先駆的な作品ではあるが、重要アイテムや強力武器のドロップ率は高めに設定されており、要求プレイ時間は現代のトレハンゲーよりもかなり控えめである) 賛否両論点 敵を倒した時のダメージ表示 一般的なRPGでは、敵を倒す際のダメージ量は、通常のダメージ量とほぼ同じ量だが、本作では、敵を倒した際のダメージ量は、その時点の敵の残り体力値が反映される。 敵の正確な体力値が判るのはいいのだが、一定量のダメージを与えた後に、武器を変更して敵を倒してしまうと、その武器が敵に対して有効なのかどうかが不明瞭になるという点においてはデメリットともいえる。 問題点 やや大味な戦闘バランス 序盤は味方のコンバットスキルが低いため、敵への命中率が低く攻撃が当たりにくい。ただし、敵側の命中率もさほど高くないため、お互いに攻撃が当たらないままターン消費されるという状況になりがちである。 ゲームが終盤に差しかかってくると、今度はコンバットスキルが上がっているために回避率が高くなり、敵からの攻撃はかなりの確率で回避もしくはダメージ無しという傾向にある。 ある意味これもTRPG的(*6)バランスといえる。 オプションの威力が非常に強く、複数弾を同時に使用すれば、敵ボスであっても一撃で倒すことが出来てしまう。弾数には制限があり、敵との近接状態では使用できないという条件はあるものの、戦闘バランスとしてはかなり偏ってしまっている。 オプションは敵にも使用するキャラがおり、命中率は低いもののほぼ一撃で味方がやられてしまうという状況もしばしばある。ダンジョンからの脱出手段がないため、ダンジョンの深い場所での一撃死はプレイする上でかなり厳しい。 途中のイベントで入手するスペシャル武器が非常に強力で、通常の敵であればインパクト耐性がない限りほぼ一撃で倒せてしまう(耐性があるとダメージ0)というバランスブレイカーである。 システムで説明したとおり、ターン中に予期せぬ形で攻撃不可となる条件がいくつかあるため、慣れないうちはなかなか攻撃自体ができないことがあり、やや敷居が高く感じられる。 上記のように全体的に戦闘バランスのチューニングが甘く、せっかくの独特な戦闘システムを活かしきれていないため、大味な展開になりがちである。 惑星の探索が不便 住民の情報で、目的地の名称を惑星の固有名詞で呼ぶ場合があるのだが、戦艦での惑星移動時の表記がすべて「恒星名・第○惑星」となっているため、いちいち恒星・惑星を移動して調査を繰り返した上で、目的の惑星を探し出さなくてはいけないのが不便である。 ストーリーの進行上、一度訪れた惑星に再度訪れる機会も多いが、その都度「恒星名・第○惑星」という表記となるため、惑星名と恒星名・数値をきちんと紐づけた上で記憶するかメモを取っておかないと、いくつもある恒星間を虱潰しに探索しなければならなくなる。 また、重要な情報をくれる住民のセリフが一度しか聞けない場合も多く(次に話しかけると別のセリフに切り替わってしまう)、情報をしっかり覚えておかないと次なる目的地が分からなくなり、やはり恒星間を虱潰しに探索しなくてはならなくなってしまう。 せっかくの独自性の高い移動システムが、シナリオとの不一致により、不便を来してしまっているのは大きな問題点といえる。 登場人物の個性が凡庸 戦闘員のほか、戦艦内の各クルーにはそれぞれ独自のキャラクター設定がされているが、ゲーム内においてはそれらの設定がさほど活かしきれておらず、凡庸なキャラクターに納まってしまっているのが惜しい。 戦闘員が固有のセリフを話す際に、戦艦のラウンジで表示される顔イラストが表示されるとか、戦艦内の各ブースのクルーに独特のセリフ回しをつけるとか、やりようは色々あったかと思うが……。 世界観やSFの設定自体は申し分ない上に、小説では各キャラクターの掘り下げも出来ている。それだけに、ゲーム内で主要な登場人物の個性が活かされておらず、作品そのものが地味な印象となってしまっているのは、たいへん残念な要素である。 各惑星の住民の中には、商売を生業として関西弁を話すエイリアンや、文明が拓かれていない原始人、歌を歌うクジラの民族、九州弁を話す血気盛んなレジスタンス、シリコン生命体など、それなりに個性豊かな面々も存在する。 総評 従来のドラクエライクなRPGとは全く異なる独自性の高い様々なシステムが、ゲーム内にうまくパッケージングされてはいるが、ゲーム全体のバランスや情報の収集要素がかなり荒削りなため、せっかくの独自のシステムを活かしきれていない。 せめて主要な登場人物に、より内面的な個性が演出されていれば際立つ面もあったのだが、キャラクター性も凡庸なものに終始しており、もう一歩で名作と呼べる誠に惜しい作品である。 SFの世界観に抵抗がなく、一風変わったRPGをプレイしてみたいという方にはおすすめである。 移植・その他の展開 1992年にSFCに移植されている。 1994年には同じくSFCにて『サイバーナイトII 地球帝国の逆襲』がリリースされている。前作同様にグループSNEが製作に携わっている。 一方で元祖のはずのPCエンジンで『II』が発売されることは最後までなかった。 ゲームのリリース前後には、シナリオ担当の山本弘氏による、本編の前日譚といえる内容の小説が『マル勝PCエンジン』誌上にて連載された。後に角川スニーカー文庫より『サイバーナイト 戦士たちの肖像』として書籍化されている。 その後、ゲーム本編の内容を綴った小説が、前作同様に山本氏の執筆にて角川スニーカー文庫より上下巻で刊行された(*7)。また『II』の小説版も山本氏によって書かれ出版されている。
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MEKORAMA 【めこらま】 ジャンル パズル/アクション 対応機種 Nintendo SwitchXboxOnePlayStation 4 メディア ダウンロード 発売元 レイニーフロッグ 開発元 Ratalaika gamesmartin magni 発売日 【PS4】2020年3月23日【One/Switch】2020年3月26日 定価 500円(税込) プレイ人数 1人 セーブデータ 1個 レーティング CERO A(全年齢対象)/IARC 3+ 判定 良作 ポイント クリアまでの過程が非常に多様な3Dパズル 概要 ルール 評価点 賛否両論点 問題点 総評 概要 元はiOS/Androidで2016年に発売された同名ゲームの移植版。 立方体のブロックが直方体状に組みあがったステージが舞台となるアクションパズル。ステージは『進め! キノピオ隊長』と類似している。 ルール 全100ステージ。 必ず、ステージはゴール地点の赤いブロックが備え付けられている。 この赤いブロックに、何かの物体が乗ったり触ったりすることでそのステージはクリアとなる。 パズルゲーではあるものの、アクション要素のあるステージもある。 TYPE-B TYPE-B(以降、黄色いロボット)は、プレイヤーがタッチしたステージの足場の一部目掛けて歩いてくる。 ロボットたちは段差や穴を飛び越えることは出来ず、ブロック1段分の段差を上り下りするには、階段状のブロックを経由する必要がある。 原則この黄色いロボットに赤いブロックを踏ませることでステージクリアを目指す。 TYPE-R TYPE-R(以降、赤いロボット)もおり、こちらはプレイヤーの指示には従わず自律歩行する。壁や崖に遭遇すると右に90度旋回してまた歩き出そうとする。黄色いロボットと異なり、1ステージに複数登場することがある。 赤いロボットは、首から上が足場となっていたり、ショートしているプラグとなっている場合がある。前者はロボットの上に立って移動できる。後者は近づくと失敗となるお邪魔キャラとしての立ち居地。 場合によっては赤いロボットを導いて赤いブロックを踏ませる必要もある。 こちらも同様に段差や穴を飛び越えることは出来ない。 ほかの設備など ステージの一部分(足場・エレベーター)もドラッグ操作によって動かすことができる。 プレイヤーが能動的には動かせず、黄色いロボットの体といった何かしらの物体を使って、間接的に押して動かすタイプの足場もある。 木製の玉のような物体がおいてあることがあり、ロボットが隣まで近づくと転がりだす。転がった先で道をさえぎる穴をふさいでくれたりする場合がある。 その他 ステージの地形以外の背景を触って左右にスライドすると、カメラアングルを変えられる。 スマホのピンチイン・ピンチアウトの要領でマップを拡大視・縮小視させることができる。 ステージは水に漬かっているエリアがあるが、ロボットたちが水に落ちたところで特に問題は無い。 黄色いロボットがショートしているプラグに近づきすぎると感電し、動けなくなってしまうので、原則失敗となる。 ロボットが乗っている足場を勢いよく振り回すと、あらぬ方向に吹っ飛んでいってしまうので、こちらも原則失敗。 木製の球が置いてあることがある。ロボットが近くを通ったりもたれかかったりすると、転がって道を作ったり、場合によってはふさいでしまったりすることもある。 ステージエディター ブロックを選び『Minecraft』のようにオリジナルのステージを組み上げることができる。 評価点 トライアンドエラーが行いやすい 制限時間がないので、じっくり考えながらプレイできる。 序盤では、クリアするにはいかに道を作り出すかが問われる傾向にあるが、中盤以降になってくると違う切り口からのひらめきも必要になってくる。 自分のひらめきでステージをクリアできたときの感動は大きい。 パズル・アクションにとどまらない多方面のひらめきを必要とする ステージは赤いブロックを踏むか触れるかさえすればクリアとなる。そこまでの過程が非常に多様となっている。 黄色いロボットに赤い床を踏ませる以外にも、ただ暗証番号を入力してブロックを動かせるようにするタイプのもの、交通渋滞パズルをするもの、赤いロボットと黄色いロボットとでレーシングゲームをするもの、等ジャンルも幅広い。 ロボットたちが一切登場しないで成立するステージも数多く存在する。 一般的には失敗条件である「感電」や「足場からの転落」もステージクリアには敢えて必要な行為だったりもする場合がある。 グラフィックの表現力 物理演算も考慮されている。動く足場に乗せたまま足場を振り回したりするとフラフラとしたりしてくれる。 500円に対して、ステージが100個とボリュームが良好。これに加えて、プレイヤーが好きにステージを作れる機能もある。 賛否両論点 物理エンジンによる影響 木の球を転がすパズルが物理エンジンの影響を受けやすい。 木の球を同じ動作で動かしたはずなのに、ロボットのわずかなふらつきのせいであらぬところに転がってしまったといった事も起こりうる。 まれに普通に歩行しているロボットたちが、階段から転落する場合もある。 まれに邪魔なギミックが物理エンジンの影響で、マップから転落してくれることがあり、プレイヤーに思わぬ有利に働くケースもあるにはある。 問題点 ステージは常に鳥瞰図となっていること カメラアングルは左右にしか振ることが出来ず、ステージを真上から見下ろしたり真横から観察することが出来ない。また下から見上げることも出来ない。 ブロックが箱の形を形成していることもあるが、そういった場合箱の中身を観察できないことが多い。 箱構造の中が文字通りブラックボックスのようになっており、そこで動作する仕掛けもあるため、そういった仕掛けを理解したうえでの攻略ができない。 コントローラーよりもタッチ操作の方が攻略が楽 コントローラーでの操作も可能だが、スティックでどこをタッチ・ドラッグするかといった操作で手こずりやすい。 イライラ棒のような繊細な操作を必要とする場面あり 黄色のロボットが全体的に鈍足に感じやすい。中途半端にふらつくこともあり、足場をあせって動かすと滑落につながりやすい。 感電させるプラグがうようよと歩き回るステージでは、感電しない範囲をギリギリで動く必要あり。 その他、立体的な迷路になっているステージを攻略する場合、ゲームのテンポが悪化しがち。 総評 カメラアングルや物理エンジンがもたらすランダム性の問題はあるにはあるものの、全体的に三次元パズルとしての完成度は高い。特にパズルとしてできることの自由度は高く、ただ3次元空間で道を切り開くタイプにとどまらず、柔軟は発想が求められるゲーム性をしている。
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ヒットマン コードネーム47 【ひっとまん こーどねーむふぉーてぃーせぶん】 ジャンル 暗殺ステルスアクション 対応機種 Windows 95/98/Me 発売元 日本版 アイドス・インタラクティブ DL版 ツクダシナジー IO Interactive 開発元 IO Interactive 発売日 2000年11月19日 配信 Steam 1,010円 GOG $5.99 判定 スルメゲー ポイント 荒削りだが意欲的な内容高い自由度は既にここで確立 ヒットマンシリーズリンク 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 デンマークのデベロッパーIO Interactiveのデビュー作でもある『HITMAN』シリーズの第1作目。 パブリッシャーはアイドス(*1)が担当し、国内ではツクダシナジーから完全日本語版が発売された。 後頭部にバーコードを持つスキンヘッドのヒットマン、47が闇の組織ザ・エージェンシーの依頼を遂行していくステルスアクションゲームである。 ストーリー その日、牢獄のような場所のベッドの上で記憶を失くした男が目を覚ました。 男はスピーカーから聞こえる男の声に導かれるまま、ナイフやワイヤー、銃を手に取り看守を殺して脱出する。 それから1年後……男はコードネーム「47」と名乗り、闇の組織ザ・エージェンシーからの依頼を遂行していた。 香港へ降り立った47に組織の連絡役ダイアナから依頼が届いた……。 特徴 画面はビハインドビューのフル3Dで進行する。画面左上にはライフメーター、右上には装備などが表示される。 他のステルスアクションと異なる点として、「変装」が重要な要素となっている。 始末した敵の服を奪い、敵組織の一員に成りすましたりする事で潜入する。ただし、不審な行動をとれば即座にバレてしまう。 ステージクリア型で、開始時に指示される目標を達成し、脱出する事が目的となる。 目標は指定されたターゲットの暗殺の他、捕らえられた人物の救出などが依頼される事もある。 開始時には依頼内容の他、ターゲットの人相やマップ、ターゲットの予測行動などの情報が与えられる。 また、ここでステージで使用するアイテムの装備・売買を行う。銃は弾丸も購入しないと使用出来ない。 なお、ハンドガンを2種類同時装備すると2丁拳銃で使用可能。この点は同アイドス社の彼女を思い起こさせる。 無事、目標を達成してランデブーポイントに辿り着けばクリアとなり、報酬を貰える。 一度クリアしたステージは何度でもやり直すことが可能。金は持ち越されるので、簡単なステージを何度もクリアして稼ぐことも出来る。 かつて「洋ゲー」と呼ばれたゲームが持っていた非常に個性的で怪しげな雰囲気。 中国マップに登場する「綾瀬幼稚園通り商店会」と書かれた看板。 中国マップに登場する髪型がちょんまげの見張り。 空を高速で流れるどんよりとした薄暗い雲。 CSで出すことを前提としていないためか非常に広大な端の見えない一部マップ。 ゲームとしての難度、衝撃のストーリー展開、音楽、患者の奇行、オルトマイヤー博士の怪演、全てが印象に残る最終マップの精神病院。 評価点 一部自由度の高いステージの存在 さほど多くはないが、後のシリーズにも受け継がれる様々なルートで暗殺できるステージは本作の時点で存在している。 例えば、レストランに集まるターゲットを暗殺するステージでは、レストラン内に武器を持ち込めないためあらかじめレストランのトイレに武器を置いておく必要があるのだが、トイレの鍵だけを借りてトイレの窓から侵入する事も可能といった具合。 また、全てのステージにおいて大量の武器・弾薬を用いた皆殺しプレイも可能。敵のAIもバカで、発見されても大人数でこちらを囲むような事はないため、射殺すれば逃げきるのも容易。 続編ではこういった多彩なルート取りが出来るステージ設計が重視されていく事となった。 隠れないステルスゲーム 隠れ進むことが目的であるステルスゲームに属していながら、変装を使って堂々と姿を晒したまま行動が出来、他のステルスゲームとは一線を画す要素を確立していた。 変装できる衣装も数多く用意されており、この点でも自由度が高い。どんな姿にでもなりきることが出来る。 ステルスアクションの代表格『メタルギア』シリーズでも初期から変装して潜入する場面はあるが、変装が通用するのは極一部だけであった。 ただし、ファンからは「47の変装は下手(*2)」とネタにされている。 賛否両論点 キーアサインの仕様 初期設定ではテンキー配置となっている。オプションでWASDタイプも選べるが、特殊な操作体系になっているため自分でキーアサインしないと操作しにくい。 具体的にWASD配置で説明すると、SZXCで平行移動、Wでダッシュ、ADで旋回という方式である。はっきり言って非常に操作しづらい。 他のゲームならWASDで平行移動で、Shitキーなどを押しながらでダッシュに切り替わるのが一般的。本作の移動はFPSなどに慣れたプレイヤーほど混乱する。 ちなみにカメラはマウスでも操作出来るので旋回操作はそもそも不要だったりする。 あくまで操作が特殊なだけなので、慣れてしまえばちゃんと遊べるようにはなる。 ただ、メーカー側にも苦情が多数届いたのか、次回作からは一般的なキー配置に改善される事となった。 ストーリー 組織から届く依頼をこなしていくという内容ゆえ、ストーリー自体は基本薄味。 一見何の関係もなさそうな依頼が、ある人物の計画に関連している事が判明していき、47の出生の秘密へと繋がる展開自体は良好。 また、ターゲットとなる人物たちの会話もしっかり用意されており、これを盗聴する事で背景を掴めるようになっている。 ただし、メインストーリー以外は意識しないと確認できないので、プレイの仕方次第。さっさと依頼を終わらせようとすると尚更薄く感じる。 問題点 難易度の高さ トライ エラーを繰り返す前提のゲーム性に加え、一部のステージがやたら難しかったり、バランスが歪なところがある。 ステージ4「潜入と暗殺」からはステージが非常に広大になり、複雑な迷路と化すため迷いやすい。 特にジャングルステージと港ステージは、かなりの難所。ここで心が折れてしまうプレイヤーもいるほど。 難易度選択はあるが、最初にプレイヤープロフィールを作る時にしか設定出来ず、そもそも差があまり実感できないレベル。 攻略に関する指針もほぼ示されないので、何をやればいいのか分からず迷いやすい。 ステージの構造や協力者の位置などはマップに表示されず、自力で調べる必要がある。何度もリトライして入念に調査していくしかない。 中途半端なステルス要素 敵の視界のせいか、隠れている状態で発見される事がある。特に怪しい行動をとっていないにもかかわらず突然発砲される事は日常茶飯事。 変装は通用するエリアが決められているようだが、エリアの切り替わりが分かりにくい箇所があり、変装しているのに発見されてしまう事があるなど、調整不足の面が見られる。 ステージ中でのセーブがない ステージが広大になるにつれてこの問題が大きくなっていく。一度突破した難所もリトライ時にはやり直す必要があり、非常に面倒くさい。 一応、コンティニューは存在するが、コンティニューしても敵に発見された状態はそのままというコンティニューする意味が全くないものとなっている。 コロンビア編の最終ミッションについて タイトルの「小さな友達にさよならを」は、ターゲットであるボリスのセリフにもある「Say Hello to My Little Friend(*3)」だがこれは直訳であり、本来の意味は「死ね虫けら」といったニュアンス。 コロンビアのミッションは連続しているが、最初の面で手に入るスナイパーライフルを持ち込むと麻薬王暗殺に関しては難易度が激減する。 麻薬精製施設へ爆弾を仕掛ける必要があるが、施設へバレずに潜入はできないため、必ず皆殺しプレイとなる。 その爆弾を起爆する際、フリーズし強制終了することがある。 メーカーも「これは不評だった」と発言し、本作のリメイクステージが収録されている『ヒットマン コントラクト』ではコロンビア編全面がカットされている。 ユーザーインターフェース関連 UI関連の解像度が固定のため、高解像度でプレイすると文字が小さくなって遊びづらくなってしまう。 ちなみに現在配信されているDL版では1600×1200まで対応しているが、実際にプレイに耐えられるのは800×600近辺である。 2001年頃のディスプレイは1280×1024あたりが主流というニュースが残っているので、当時としても少々厳しかったと言える。 総評 第1作目という事もあって非常に粗削りな作品。 多彩な暗殺方法や変装を主軸とした意欲的な作風は良かったが、調整不足な面やシステムの粗が目立つ出来となってしまった。 悪いゲームではないのだが、本作を楽しむためには高いハードルを越える必要があり、プレイヤーを選ぶゲームとなっている。 主人公の出生に隠された秘密やキャラクター造形の面では人気を博し、一定の人気を得ることには成功しており、続編へ繋がる事となった。 余談 PS2やN64での発売も予定されていたが、中止になったためシリーズでは唯一PCのみでリリースされたタイトルとなった。 現在はSteamやGOG.comなどで英語版を配信している。日本語化Modもあるので、配信されている旧シリーズの中では比較的手に取りやすいと言える。続編の方がシステムが洗練されているので、無理にプレイする必要はないが…。 このためか、家庭用に進出した2作目の『HITMAN 2 Silent Assassin』は国内CS機版(PS2/Xbox)のみ『ヒットマン サイレントアサシン』のタイトルで発売された(*4)。 現在、DL配信されている本作のPC版はIO Interactive自身がパブリッシャーとなっている。これは2017年にIO Interactiveがスクウェア・エニックスの傘下から離脱したことに伴い、シリーズ全作の版権が移管されたことによるものである。 シリーズ3作目の『ヒットマン コントラクト』では本作のステージをリメイクしたステージが登場する。 2007年、2015年に映画化された。
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ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター 【わいるどあーむず ざ ふぉーすでとねいたー】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション2 発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント 開発 メディアビジョン 発売日 2005年3月24日 定価 7,140円 廉価版 PlayStation2 the Best2005年11月2日/2,800円2006年10月19日/1,800円 判定 なし ポイント 『大人の事情』に泣かされたゲーム大味な戦闘バランス短くされたシナリオとフィールドマップ廃止新戦闘システムは賛否両論シナリオの大筋やキャラクター周りの評価は高い ワイルドアームズシリーズリンク SIEワールドワイド・スタジオ作品 概要 新要素・従来との変更点 問題点 賛否両論点 評価点 総評 補足 概要 『ワイルドアームズ(以下「WA」)』シリーズ5作目(『WA F』含む)にあたる作品。 前作の『WA3』や初代WAのリメイクである『WA F』から一部のシステムを一新し、マンネリ感を打破しようと試みている。それは「デトネイター(起爆剤)」というサブタイトルからもうかがえる。 制作発表はWA Fと同時に行われた。発表当初のタイトルは『ワイルドアームズ アナザーコード F』。当時の記事(リンク先ファミ通)WA F・WA4 新要素・従来との変更点 HEX(Hyper Evolve X-fire sequence)バトル 本作から導入されたバトルシステム。「前作までの『クロスファイアシークエンス』に戦略性を持たせたい」という目的で考案された。 戦闘開始時にハニカム構造の戦闘フィールドに敵・味方・レイポイント(属性を帯びた地形)・オブジェクト(宝箱や障害物)が配置され、順番の回ってきたキャラから行動する。ステータス「反応(いわゆる『素早さ』)」が高いキャラほど行動機会が多く回ってくる。 敵同士あるいは味方同士なら、同HEX内に同居することができる。混在は不可。 たいていの行動・バフ/デバフ効果は「キャラクターにかかる」のではなく「HEXにかかる」。したがって、味方を同HEXに集合させれば強化・回復を効率良く行えるようになる一方で、敵の何でもない通常攻撃さえもが複数人を巻き込む範囲攻撃と化す…という風に、敵/味方の位置取りも考えて行動する必要性がある。 より柔軟になったスキル習得 今作では習得できるスキルがキャラクターとレベルで固定されているため、組み合わせの自由度自体は低くなっている。ただし、それを補うべく「GCグラフ」というシステムが導入されている。なお、「GC」は「Grow(成長)」と「Customaize(カスタマイズ)」の頭文字である。 GCグラフは「現在レベルと同値だけもらえる『GCポイント』を使用して、本来ならもっと後にならないと習得できないスキルを先行習得する」というもの。例えば「レベル18で習得するスキルにGCポイントをつぎ込んで、レベル9の時点で使えるようにする」といった事が可能となる。GCグラフのポイント振り分け/振り直しは戦闘中以外ならいつでもどこでも可能。 なお、スキル習得に使用していないGCポイントは自動で最大HP/MP上昇に使われる。また、キャラのレベルが上がるとGCポイントがそれに応じて還元される。先の例の場合、レベル9から10に上がった時点でGCポイントが1ポイント還元、さらにレベルアップでGCポイントが増えるので2ポイント使える計算となる。 装備品のカテゴリの一つである「バッジ」を装備することでさらなるカスタマイズ(ステータス増強、状態異常への耐性獲得等)が行える。バッジは最大で3つ装備可能になるのだが、装備枠増加はパッシブスキル「バッジスロット追加」で行われる方式なので、GCグラフによる早期拡張も可能。 探索面 過去シリーズ作のように自由にフィールドを移動して街・遺跡を発見するタイプから、ロマサガのようにマップ上から目的地を指定して移動するタイプに変更された。 仕掛けを解除するためのグッズ使用方法が変更された。前作までは各キャラクターの所有するグッズを使い分けていったのだが、本作では移動中の先頭キャラは主人公のジュード固定。グッズはダンジョン内のものを活用する方式に変更され、持ち出しは不可となった。 ジャンプやスライディングといったアクションが可能となり、部屋によっては奥行きのある3D画面ではなく真横固定の視点となっている。 ジュードはシリーズおなじみの「アクセラレイター」を所持しており、制限こそあるが(時間制かつ連続使用不可)発動中は周囲の時間の流れが遅くなる。(*1)当然ながらアクセラレイターの使用を前提とした謎解き・カラクリが多数用意されている。 過去作よりもアクション性が高まっていることに関しては、開発者インタビューにて「女の子がスライディングしたら嫌じゃないですか」「アシュレー(※『WA2』の主人公)がやったらバカっぽく見えるけど、快活な少年であるジュードには良く似合うシステム」といった旨の発言があった。また、これも「過去作からの変革」の一環であろう。 工房システムと「ブラックマーケット」 シリーズ中盤から、工房にて装備品やアイテムを組み合わせて新しい物を作れるようになる。レシピは予め判明しており、材料を各所から集めて新しいアイテムを作る。 最高峰のアイテムを作る難易度は極めて高く、優先順位をきちんと決めながらやっていかないと揃えるのは困難。特にシリーズ恒例のアイテム「シェリフスター」を作る難易度は鬼畜の一言。その代わり効力も極めて高い。 ブラックマーケットはシリーズ恒例のアイテムショップだが、なんと対価がお金ではなく「レベル」。例えば「○○:50レベル」という品だったら、誰か一人、もしくは複数人のメンバーの合計でレベルを50下げなければならない。前代未聞のシステムである。 ミニゲーム「エクストラチャレンジ」 今作のゲームシステムを活かしたミニゲーム。スーパーマリオのような横スクロール系のアクションゲームであり、途中の敵を倒したりかわしたりしながらゴールを目指す。アクセラレイターも使用可能。これがなかなかに楽しく、本編そっちのけで楽しむ人もいたとか。 プレイには、ゲーム途中に落ちている「ROM」を各地で回収し、それをとあるゲーマーの部屋に持っていく必要がある。合計12ステージあるが、ROMは1周につき6個しか手に入らないので、全面プレイするには2周しないといけない。(*2) ちなみに全ステージを攻略すると、シリーズ恒例の隠しボス「ラギュ・オ・ラギュラ」と戦うためのアイテムがもらえる。逆に言うと「なんでこんなゲーマーがそんな貴重品を持ってるんだ?」ということでもある。 ちなみにそのゲーマーは、「ゲームは一日(最低)1時間!」という名言?を残している。 システム面について 本作もパートボイスではあるが、戦闘中だけでなく重要イベントでもしゃべるようになった。 『WA F』からセーブデータをコンバートすることが可能。そこで達成した項目に応じて様々な特典が追加される。ただし、「コンバートしないとコンプリートできない」要素はなく、2周すれば遊び尽くすことができるようになっている。 周回プレイ 持っていたアイテムやお金、モンスター図鑑等は次周以降にも引き継がれる。ただし、キャラのレベルは1に下がってしまう。 周を重ねるごとに敵からもらえる経験値が2倍、3倍…と上がっていく。 コンバート状況は引き継がれない。それどころか、2周目以降はコンバート不可能である。この影響を最も受けるのが武器「ロンバルディア」。ゲーム最序盤でもらえるうえに「戦闘回数に応じて攻撃力が上がる」という武器なのだが、データコンバートすると『WA F』の戦闘回数まで加算してくれるので、マニアックにプレイしていた人は最強武器になっていることも。しかし2周目以降はFの戦闘回数は加算されないため弱くなってしまう。 問題点 ……と、このように様々な変革が行われていたのだが、「製作途中でSCEから開発期間の短縮を命じられる」というまさかの事態が発生。 その結果発売が半年近くも前倒しとなり、全体的に作りこみが甘くなってしまった。(*3) シナリオが短すぎる 平均的なクリアまでのプレイ時間は20時間代。特に中盤~終盤の展開がかなり駆け足で進行していく。「開発期間短縮のせいで、当初予定していたシナリオをバッサリ半分にカットしなければならなくなった」とは金子氏の弁。 イベント進行部が立ち絵による紙芝居のみの箇所が多い。重要イベントではフルボイスのムービーが流れるものの、全編に渡ってポリゴンキャラによるモーションを見せてくれた前2作(WA3・WA F)よりも演出面では劣化している。 ユウリィの歌う「絆を想う」も途中までしか聴くことが出来ない。攻略本によると続きの歌詞はあるようだが、サントラでも聴くことが出来ないので恐らく未収録と思われる。 ダイジェストで終わる部分が多い。最後の仲間が出た場面では、5秒ほどの音声入りムービーのあと「彼女の名前は○○と言うそうだ」と言うだけで終わるなど。 会話シーンで黙る時に「………」「……」「…」と三点リーダの数が減っていく演出を使っている。全編通してダンマリのシーンで同じ事をしており、ボタンを押す回数が無駄に増えるため、最初の頃はともかく、次第に鬱陶しくなってくる。 敵幹部はいずれも魅力的なキャラ立て(設定的にも、能力的にも)がされた敵キャラが多数出てくるが、「全員が特殊能力を持っている強敵だが、ネタがばれるといいところがなくなってしまう」こととシナリオの短さゆえ、ほぼ全員が1回戦うだけであっさり退場してしまい、印象が薄くなってしまっている。 ほとんどの幹部は序盤の全員集合シーンを除けば、後は戦闘シーンでしかボイスが付かない。声優自体は豪華なだけに非常に勿体ない。 主人公ジュードの思考と行動に一貫性が無いため、人によっては感情移入しにくい。ただし、これは「ジュードがまだ13歳であるが故に未熟だから」という一応の理由付けはされている。 また、本作品の表向きのテーマは「大人と子供」であり(実際のテーマは「進化」)、CMなどの発売前情報ではパーティメンバー全員が精神的に未熟な未成年(最年長でも19歳)であることが強調されていた。 世界観や歴史、時代背景等の設定が緻密に描かれている割りにシナリオ全体のボリュームが少なく、それについてゲーム本編では深く掘り下げて語られる事もさほど無い。 前作までと違い、本作の舞台はファルガイア「全土」ではなく一地方となっている。これはアニメとの連動の際「アニメスタッフが設定に縛られることなく自由にやってもらおう」という金子氏の狙いがあったため。アニメ化が中止となったため活用されることなく終わってしまったが。 戦闘のバランスがかなり大味 キャラクターそれぞれに個性を出すために、主人公のジュードは素早いバランス型、アルノーは攻撃魔法&弱体魔法に優れ、ユウリィはミーディアム(召喚)と回復および強化担当、ラクウェルは鈍重だが高い物理攻撃力を誇る…という役割分担がされている。そして各キャラ毎に明確な特徴と強さ・弱さがはっきり設定されているため、それらを把握した上で戦術を考える必要はある。 ここまではいいのだが、ラクウェルの火力が尋常でなく高いために、「位置取り等を考えて行動するよりも、ラクウェルを中心としたゴリ押し戦法が最も有効かつ確実」というバランスになっており、せっかくのHEXバトル導入による戦略性強化がスポイルされてしまっているきらいがある。 どのくらい攻撃力が高いかというと、クリア前でもたいていの雑魚は一撃必殺、ボスでもHPを4分の1~半分は削れる。一応、ラクウェルには「極端に鈍重なため行動順がなかなか回ってこない」という欠点があるが、その一方で彼女は「パーティ全員で共有するゲージを消費して、連続行動を可能にするアビリティ」を有している為、他の3人でゲージを溜めてからターンを回せば、超火力の連続攻撃で相手を問答不要で沈めることができる。 徹底的に戦術を練り上げれば最強の隠しボスたるラギュ・オ・ラギュラさえも一撃で倒してしまう事が可能。製作スタッフも「強くしすぎた」と認めたほど。 もともと通常攻撃が強いシステムであり、やり込むと魔法使いタイプのアルノー・ユウリィですら通常攻撃が最強威力になってしまう。レベルを上げて、物理で殴ればいいならぬ装備を整えて、物理で殴ればいい。 さらに敵・味方問わず全体的に防御力が低い(= 被ダメージ量が多い)ため、味方は雑魚キャラの一撃でゴッソリHPを持っていかれてしまう事が多い。特にユウリィは雑魚の通常攻撃一撃で瀕死(または即死)が日常茶飯事。結果、敵に先制攻撃された場合はフルボッコにされてゲームオーバー、逆にこちらが先制できると無傷で楽勝になってしまう事が多い。 通常戦闘時は敵・味方の初期配置や反応補正(行動順に影響を与える)がランダムであるため、配置の運が悪ければそれだけで圧倒的不利になり、上記の被ダメ量の多さから即ゲームオーバーになり易い。 その他の問題点 エンカウントキャンセルの仕様 前作までは任意のタイミングでエンカウントキャンセル可能だったが、今作では特定の要件を満たすまで一切キャンセル不能、要件を満たせば全てキャンセル可能と極端になっている。 要件は通過フィールドでは「セーブポイントでの戦闘に勝利する」ダンジョンでは「特定の仕掛け解除を成功させる」となっている。ただし、一度限りのダンジョンでは一切キャンセル不能となっている。 フィールドマップの廃止 従来のWAシリーズファンが期待していた「世界を自由に動き回り、街・遺跡を発見していく楽しみ」が無くなってしまった。イベント進行に沿って自動的に次の目的地がマップに表示される一本道進行で、自由に移動できるようになるのはでラスボス直前まで進めた後。このせいで「序盤~中盤の自由度が低い」「物語の進行に合わせて変わる街の人々の台詞を聞く事ができない」といった難点が発生する。特に後者はWAシリーズを通して好評であった要素のため、ガッカリしたプレイヤーも多い。 上記「フィールドマップの廃止」で挙げた自由度には、「これまで行った町やダンジョン等で自由にグッズを使って新たな要素を発見する楽しみ」もあったのだが、今作ではグッズの仕様変更(下記参照)により削除されてしまった。 賛否両論点 ラクウェル・アップルゲイトの設定 + 以下、ネタバレ ストーリー序盤でパーティーに加わる少女剣士で、バトルでもその冴えわたる剣技でパーティーの危機をしばしば救う。その強さがどれ程すさまじい物かは前述したとおり。 しかし、ストーリーを進めていくと判明するのだが、実は彼女は被曝者(ゲーム中では遠まわしな表現であるが)であり、あらゆる治療手段をもってしても治せない病に冒されている。そのため肉体は限界寸前、行動順がなかなか回ってこないのはこの設定を反映したバランス取りなのだろう。そんな設定なのに肉弾戦キャラ、そして上記の強さである。 そしてエンディングではパーティーメンバーの一人であるアルノーと結ばれて娘を授かるのだが、出産して間もなくラクウェルは息を引き取ってしまい(これもゲーム中では遠まわしな表現であるが)、パーティーメンバーの中で唯一成人した姿を見ることができない。 この展開はWA4のストーリーにおける最大クラスの賛否両論点であり、「これじゃバッドエンドだ」と捉える人も多い。 しかし、金子氏曰く「本作のテーマは「進化」。そして「進化」にはその終着点としての「死」がある。なので「『死』に向き合う」ということをきちんと描きたかった」「自分的にはラクウェルのその後は『幸せな最期』を迎えたハッピーエンドとして描写している」と発言している。 余談だが、ラクウェルのキャラ人気はシリーズ全作品の登場キャラを見渡してもかなり高い。美しくも儚いストーリー展開・どこぞの世紀末病人を思わせるネタめいた強さ・声優の熱演などのおかげであろうか。アップルゲイトという苗字をもじって、ファンからはおおむね 「林檎」「林檎姐さん」 と呼ばれている。 次作のWA5では彼女のそっくりさんが登場。その強さがネタにされたり、WA4では叶わなかった病の完治が可能となるといったファンサービスが行われているなど、スタッフからもファンからも愛されているキャラである。 評価点 ストーリー面 前述の問題こそあるが、物語開始時には身体的に精神的にも『子供』だったパーティメンバーが、精神的に成長していく姿や見せ場はしっかり描かれている。特に人気が高いのが大人であるガウンがジュードたちの「子供の覚悟」を見せられて「大人のケジメ」を付けるシーン。 バトル面 ラクウェルの異常な火力のせいで戦闘バランスは確かに大味ではあるが、何も考えずにラクウェル無双ができるほど甘くはないし、少なくとも本編クリア前までのバランスは「調整放棄」と言われる程ひどくはない。 HEXバトル導入のおかげで「キャラの向きによって防御やパッシブスキルの発動率が変わる」「こちらに有利な位置取りをしたり、移動を封印・ワープ・入れ替わりといった搦め手も活用する」といった戦略SLGにも似た駆け引きが加わっているため、「ただキャラが走り回るだけだった」クロスファイアシークエンスからはバトルの戦略性は格段に上がっている。このシステムは好評であったようで、次作の5thにも引き続き導入されている。 敵幹部はいずれも特殊能力を有しており、その能力はボス戦でも遺憾なく発揮される(例…「盾を構えており、正面からの攻撃を完全に無効化する」「攻撃を受ける直前、まるで瞬間移動したかのようにそれを回避する」)。打ち勝つためにはHEXバトルを理解したうえで打開策を見出さなければならない。 テンポの良さ 制作期間短縮が命じられた際、金子氏は「ただヘコんでいるだけでも仕方がないので、テンポ良く進められるようにしよう」と頭を切り替えている。そのおかげなのか、ゲームのテンポの良さはシリーズ中でも屈指の良さである。 戦闘は殺るも殺られるも一瞬なゲームバランスではあるが、そのおかげでサクサク進むし、要所でセーブポイントがあるなどやり直しが苦にはならないようになってはいる。今回は全滅時のコンティニューの際にアイテム(1ギミルコイン)を必要がないため無限コンティニューも可能。 仕掛けのあるフロアや2Dアクションパート面では、一部の例外を除いてエンカウントしなくなったため、仕掛けを解いている最中にエンカウントして仕掛けの解き方を忘れてしまったり、どこまで解いたか忘れてしまったりという事が無くなっている。 カットシーン以外での会話ではマンガのコマ割りのようにキャラクターの立ち絵が差し込まれる方式が採用されているが、その演出のためにテンポが悪くなるわけでもなく非常にスピーディでテンポが良い。 会話が進む度に次々とコマの大きさや形が変化する演出で勢いもあり、キャラクターの感情表現などにも一役買っている。 それなりに豊富なやりこみ要素 本編こそボリューム不足ではあるが、クリア後に戦える隠しボスは多数存在するし、工房フル活用による最強育成やエクストラチャレンジ全制覇、全宝箱コンプリートといったやり込み要素は十分揃っている。 ファーストガイドブックがかなり親切 初回生産特典ではあるのだが、戦闘システムに関することから序盤の攻略方法まで詳しく載っており、初心者にも優しい気配りがされている。 BGM BGMは前作までと同様評価が高い。 本作ではこれまで担当してきたなるけみちこ氏が開発中に体調不良になってしまったため、他に4人の作曲・編曲者が参加している。そのため過去作と比べて若干毛色の異なる楽曲群となっているが、その分バラエティに富んでいる。 総評 「惜しい」。この一言に尽きる作品。 それなりに楽しめたという声があるものの、開発期間短縮によるボリューム不足と練り込み不足が仇となり、人気作のシリーズに大きく影を落とす結果となってしまった。 補足 この一件がきっかけで、トータルゲームデザイナーとして現場の細部にまで関わっていた金子彰史氏はWA5以降現場から一歩引いた立場に移り、裏で開発側とSCEとの橋渡し役を担うことになった。 なお、現在ではメディアビジョンを退社し、別会社「ウィッチクラフト」を立ち上げて独立している。といってもケンカ別れではなく現在も関係は良好。
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この項目では『ロスト プラネット エクストリーム コンディション』と、拡張版である『ロスト プラネット コロニーズ』を同時に紹介しています。 ロスト プラネット エクストリーム コンディション ロスト プラネット コロニーズ 概要 ストーリー ハードごとの差 特徴 ゲームモードについて ゲーム内容について 評価点 賛否両論点 主人公のモデル周り 問題点 キャンペーン周りの問題 オンライン周りの問題 総評 拡張版『コロニーズ』の特徴 余談 その後の展開 ロスト プラネット エクストリーム コンディション 【ろすと ぷらねっと えくすとりーむ こんでぃしょん】 ロスト プラネット コロニーズ 【ろすと ぷらねっと ころにーず】 ジャンル アクションシューティング 対応機種(無印) Xbox 360Windowsプレイステーション3 対応機種(拡張) Xbox 360Windows 発売・開発元 カプコン 発売日(無印) 【360】2006年12月21日【Win】2007年7月12日【PS3】2008年2月21日 発売日(拡張) 【360】2008年5月29日【Win】2008年6月5日 定価(無印) 【360】8,618円【PS3】6,469円 定価(拡張) 【360/Win】6,469円 廉価版(無印) 【360】プラチナコレクション 2007年11月1日/3990円【PS3】PLAYSTATION3 the Best 2010年3月11日/2047円 廉価版(拡張) 【360】プラチナコレクション 2010年3月11日/2047円 備考 PS3では『コロニーズ』の販売はなし 判定 良作 ポイント カプコン発の本格TPS独特の世界観&ハマれるオンライン物語とゲームバランスは粗さが目立つイ・ビョンホン主演は賛否両論 ロスト プラネットシリーズエクストリーム コンディション(コロニーズ) / 2 / 3 / エクストルーパーズ 極寒の惑星で、生死を賭けた戦いが始まる… 概要 カプコンが発売したサードパーソンシューティング。独自開発したエンジンMT Frameworkを使用している。 韓国俳優でありハリウッド映画でも活躍するイ・ビョンホン主演、主人公ウェインのモデル・声を担当している。 「バイタルスーツ」という二足歩行ロボット・「エイクリッド」という怪物・キャラクターの造形・日本製SFの色彩が強い世界観と、海外勢が強い3Dシューティングにおいてしっかり「日本らしさ」を持つ作品。 ストーリー 未来の世界において人類は全球凍結下にある地球型惑星EDN-3rd(*1)において入植実験を行う。しかし人類は惑星の原住生物「エイクリッド」の前に為す術もなく敗北。一時撤退を余儀なくされた。しかし人類は「エイクリッド」から得られる新資源「サーマルエナジー(T-ENG)」を諦めることはできず、「エイクリッド」に対抗しうる新兵器「バイタルスーツ(VS)」を投入、再入植を開始する。再入植を主導する企業「NEVEC」内でも資源の独占をもくろみ様々な思惑が渦巻く中、撤退時に見捨てられながら極寒の大地で命と世代を繋いでいた「雪賊」と呼ばれる人類も絡み、EDN-3rdは混迷を極めて行く…。 ハードごとの差 3ハードで発売されているが発売時期はそれぞれ異なっており、基本的には後発のものほど追加要素が多い。また、実績解放関連で若干の差異がある。 【360】最も最初に発売された。追加マップはDLコンテンツとして順次有料追加されたが、後に一部マップは無料開放されている。 【Win】グラフィックを向上させているほか、ロックマン等自社の別ゲーキャラをアバターとして追加している。 【PS3】メディアがDVDからブルーレイに変更。それに伴い、DLCマップはオフセットされている。Win版の追加キャラに加えて、作中のヒロイン「ルカ」が使用できる。さらに和ゲーらしい裏技(隠しコマンド)がある。コマンドについては公式サイトを参照。 なお、360/Winでは後に追加要素を加えた拡張版『ロスト プラネット コロニーズ』が発売されているが、PS3では発売されなかった。 特徴 ゲームモードについて ゲーム内容としては大まかにキャンペーン(シングルプレイのみ)と、オンラインバトルに分かれている。 キャンペーンは、主人公である「ウェイン」となり、そのストーリーを追って行く形になる。基本的には敵を倒しながら進んでいき、最後にいるボスを倒せばステージクリアという形になっている。 CO-OPなどは無く、シングルのみ。 「ウェイン」は「ハーモナイザー」という装置を装備している(装置自体がストーリーにも絡んでくる)。ダメージを受けた際はT-ENGを大量に消費する代わりにHPが回復される。ただしあまりに大きなダメージを受けた場合はそのまま死亡してしまう。 また、T-ENGが0になると逆にHPが減少していく。T-ENGは時間経過でも勝手に減っていくが、エイクリッドや敵NPC、VSを倒すなどで補給できる。 + ハーモナイザーについて ハーモナイザーは「NEVEC」が開発した生命維持装置で、今作に登場するのは試作型。T-ENGを消費する代わりに驚異的な身体回復能力を実現している。加えて過酷環境での生命維持や、老化防止まで行ってくれる。 しかしT-ENGが無くなると逆に命を削っていく上、試作型に加え経年劣化のため不安定で、劇中でも気絶や記憶障害といった副作用がたびたび起こっていた。 オンラインバトルは、最大16人(8VS8)での戦闘が行える。 ルールは「サバイバル(全員敵)」「チームサバイバル(8VS8)」「データポスト争奪戦(*2)」「フォックスハンティング(*3)」の4つ。 結果が世界ランキングに反映されるランクマッチと、反映されない代わりにより自由度の高いプレイヤーマッチがある。 キャンペーンとは異なり、ハーモナイザーは無し。 ゲーム内容について 自由度の高いワイヤーアクション。 壁などにアンカーを打ち込み、それを巻き取ることで三次元的な移動を実現している。壁の際に撃って壁をよじ登ったり、天井に撃ってぶら下がったりなど、自由度が高い。 「バイタルスーツ」の存在 星の原住生物「エイクリッド」に対抗するために開発されたマシン。二足歩行が多いが、バイクに変形したり、戦車に変形したりする機体も。機体によって歩行速度の高低があるほか、長距離を跳躍可能な機体もある。 VSは基本的に両肩に武装を取りつけることが出来る。これらは手持ちして直接使うこともできるのだが重たいため動きが制限される。また、取り外し不可能の固定武装のものも存在。 武器は少なめだが、個性的。 近距離専門のショットガン、スコープ付きライフル、安定した性能のマシンガン、T-ENGを打ち出すプラズマガン、弾速は遅いが追尾機能とVSからパイロットを強制排出させるエネルギーガン、高威力ながら弾数が少ないロケットランチャー。 これら手持ち武器に加えて、前述のVS武装と、グレネードという形になっている。 評価点 オンラインバトルが非常に魅力的。非常にシンプルで大雑把な作り(*4)であるが、味がある。 武器の数は少なくシンプルであり、また武器ごとにも優劣は割とあるのだがそう言ったバランスの悪さを補って余りある楽しさを誇る。 マッチの自由度もかなり高く、ルールに加えて最大人数や最初に所持している武器、ステージまでホストが細かく指定できる。 武器自体の優劣は割とはっきりしており、ライフルは射程が無限遠な上にゼロタイムで命中し、胴体で2発ヘッドショットは距離にかかわらず一撃、その上連射も効いて近接もある程度こなせるという、非常に強力な武器。ロケットランチャーはとにかく威力が魅力。 反面マシンガンはいまいち中途半端と言う具合。しかしこの作品ではマッチの性質上「全員同じ武器」でスタートする。ライフルなら全員ライフルもちであり、マシンガンなら全員マシンガンからスタートする。 FPSによくある「ミドルレンジならAという武器をセットして、それからスタート」といった要素はない。 スタート武器以外のものもマップには落ちているが、弾を確保し続けるのは難しい上リポップのタイミングも絶妙で「強武器を真っ先に取って無双」という形には非常になりにくい。HP回復の手段が無いのも一因。 無双は困難である一方、アンカー移動など細かくプレイヤースキルが反映される箇所があり、うまい人はちゃんと強い。 ワイヤーアクションはロスプラを語る上ではずせない要素である。三次元的な移動、戦闘を実現している。加えてアンカーの撃ちこむ場所、解除のタイミングなどで移動速度にも割と差がでるため、上手な人はちゃんと映える仕様になっている。 投擲したグレネードを撃つことで時間をまたずに爆破でき、さらに爆発の威力が高くなるという仕様も魅力。時間だけでなく任意のタイミングで爆発させることが出来る反面、近くで爆発させると自爆するし、エイムがいまいちだと当たらないしで、うまい下手が出やすい要素となっている。 このほか、緊急回避を行いながらショットガンを発射するゴロバンというテクニックもある。 VSの存在も魅力的。弱いVSしかないマップや、強いVSで大規模に立ちまわれるマップ、VSが一切存在しないマップと、いろいろ揃っている。 ステージも良質なものが多く、レーダーフィールドでライフル対決など「定番」のセットがいくつも生まれた。 キャラクターの造形は独特であるが評価が高い。オンラインバトルでは雪族たちを使う形になるのだが、それぞれモーションに細かい差があり、特に挑発モーションから「尻ペン」や「ガッツ」といった愛称(?)が付けられていた。 ゲームの世界観は良質。「全球凍結した惑星」が舞台であったり、「エイクリッド」といった怪物との戦いありVS同士の戦闘あり、生身の人間同士の戦いありと、SFとしてしっかりした土台の上に、魅力的なストーリーを構築している。 マップも、入植時に建築されたビルや火山地帯など豊富。廃墟や一面の雪原はその世界観をうまく構築している。 同社のモンハンにも通じるところがある超巨大エイクリッド戦など、いわゆる「洋ゲーの劣化版」とは一線を画している。 賛否両論点 主人公のモデル周り 当初は金髪碧眼の白人設定でオリジナルモデルの開発が進んでいたが、どういう訳かイ・ビョンホン氏へと急遽変更されてしまった経緯がある。発売当時の韓流ブームに乗っかろうとしたのだろうか? 「そもそも世界観に韓国人が合っていない!」と言う意見もあるが、モデルの出来そのものには問題がある訳ではなく、結局は好みの問題だろう。他のキャラは当時のカプコン製ゲームによくいるようなCGキャラだが、浮くことなく割と馴染んでおり違和感は少ない。ただ、美形ではあるが特別個性的という顔立ちでもないため、ファン以外には実在の俳優を使った意味が薄くも感じる。 只、結果的に肖像権などの問題から続編に登場させる事ができず、『タツノコ VS. CAPCOM』シリーズでは素顔が出せなかった(*5)。 問題点 キャンペーン周りの問題 ボリュームはやや少なめ。割とサクサク終わってしまう。 キャンペーンは、ストーリーは魅力的であるものの粗い部分も目立つ。またキャンペーンのゲーム性自体はそこまで優れたものではない。 やり込み要素は少なく、ターゲットコインという実績系(*6)はあるものの、やりこみというよりはうっかり見落とすような代物を探すだけと言うような感じである。 ストーリーについて、SFらしい世界観が魅力的である半面、わかりにくさも目立つ。特に「いまこの星はどういう状態にあるのか。またそれはどのような経緯を経た結果なのか?」という部分がわかりにくい(*7)。登場人物もかなり少なめで、世界観の広さの割に、個々の問題や対立軸が矮小化してしまっている。 星の命運をかけた戦いであるはずなのだが、わずか数人の争いと行動でそれが左右されてしまうのである。 公式サイトを読んだりすればある程度わかってくるのだが、ゲームのみをやっていると「?」な部分は結構ある。 ストーリーの最後のほうはかなり駆け足で、上記の「世界観の割にストーリーが狭い」という問題に拍車をかけている。 加えて細かい部分で変な所がある。ハードボーラー(*8)はロールアウトから30年経っても最強とアーティファクトレベルの代物。オーパーツじゃあるまいし。 大型エイクリッド戦は迫力はあるものの覚えゲーに近い部分があり、爽快感といったものとはやや縁遠い。 キャンペーン最終ステージがあまりにも異質。 オンラインはもちろん、キャンペーンのなかでも操作性等あらゆる部分が異質である。 さらにはかなりもっさりした動きに加えてゲーム性もいまいちで、「これのせいで台無し!」という意見すらある。 以上のボリュームの薄さ、ゲーム性の低さ等から「キャンペーンモードはオンラインのおまけ」という評価も。 オンライン周りの問題 オンラインマッチも、細かい作り自体は粗い ランクマッチでほとんどのことができてしまうため、プレイヤーマッチで遊ぶ意義は薄い。 ただし、これは「どんな無茶苦茶な設定でも知らない人とランクマッチでガチバトル」ができるということでもある。 擁護不可能なレベルでバランスが取れていないマップ、ステージが結構存在する。 リスポン地点は固定、初期武装も固定という性質上、強VSが出てくるステージは一方的な戦いになってしまうことが多い。 最初に強VSを確保したうえで、エネルギーガンを確保してVSにこもってしまえば、もう逆転される要素はほとんどなくなり、一方的な虐殺に終始してしまう。 上記ほど酷いものでなくても、リスポン地点で有利不利が出るマップも多い。ただ、強VS確保からのワンサイドゲームに比べれば気になるほどではない。 ただ、こういったワンサイドが頻出するステージは不人気なので部屋自体が非常にすくない。「面白くなければやらなければいい」を地で行く状態ではあるが、こういった質の悪いところを意図的に避けることができるため、悪バランスについてはそこまで気にならないと言ったところ。 いわゆる「回線抜き」に対するペナルティは無い。不意の回線落ちでもペナが来ないと言う利点はあるものの、不利になるとどんどんいなくなってゲーム自体が不成立になってしまうことさえあった。 ラガーに対する処理も良くない。軽度のラガーについては画面上の見た目と実際の位置が常にずれるためとにかくダメージが入らない(ライフルを直撃させても死なない。プラズマグレネード(*9)など広範囲攻撃を当てると、痺れたまま位置が補正される…)。重度のラガーについては突然現れたりと言ったことが頻出する。 ランクマッチに罠部屋を張れてしまう。 典型的なのは大型マップでフォックスハントで参加枠2(狐側が有利な仕様に加えて広いマップでは一度も敵に出会えずに狐の勝ちになってしまうことも多々)、強VSのあるステージにチームサバイバルで参加枠2(入ってきた人を一方的にボコる)。 悪質なとこでは、参加枠を16にしていても3人目が来た時点で開始、そして最初にいるホスト+1はグルで2 1でボコってくるという部屋も。おまけにこういう部屋の場合、グル同士が別チームになったり、相手が強くて負けそうになったら回線抜きで不成立に持ち込むと言う極めて悪質な行為を行ってくるプレイヤーさえいる。 ただ、ランク自体も非常に大雑把なもので階級のようなものもなく(*10)、何より「罠だとわかったらすぐ抜けてしまえばいい」という考えもあり(この考えが良いかは別として)、そこまで気にされない。上級者のなかには罠なの承知の上で入って、逆にボコボコにすると言う遊び方をしている人もいた。 全体的にややもっさりしており、常に処理落ちしているような感じ。ダッシュ等もなく足が遅いと言う意見は多い。 総評 「氷の星に巨大な怪物」という独特の世界観と、単純ながら「ハマれる」オンラインバトルが光る。 細かく見て行くとストーリーは突っ込みどころも多く矛盾点も満載しているし、オンラインのゲームバランスは割と劣悪な部類でもある。 だが、カスタマイズの少なさが結果的に平等性の獲得につながっており、ユーザーが多く集まる人気ルールの面白さは格別になっている。 また「TPS」という洋ゲーが強いジャンルにおいて、はっきりと日本テイストが感じられる世界観・ストーリーを持つ作品はあまりない。 そう言った点では貴重な作品であり、オリジナルモデルのウェインで日本語ボイスに対応したリメイクを望む声は多い。 拡張版『コロニーズ』の特徴 360からの新規ゲームタイトルであったが、販売が好調だったため追加パックや続編が発売されている。 マップ、武器、アバターキャラやバトルルールの追加が行われている。こちらは360/Winで発売され、双方同じ場でオンラインバトルを行えるクロスプラットフォーム方式を取っている。 しかし、その反面Win版の追加キャラと作中のヒロイン「ルカ」は使用できない。 余談 以前カプコンから縦スクロールシューティングゲーム『シルフィード ザ・ロストプラネット』がPS2で発売されている。“ロストプラネット”ってひょっとして…。 その後の展開 2010年5月20日にナンバリング第2作『ロスト プラネット 2』がPS3/360/Winで発売された。CO-OPの実装や武器を含めたキャラカスタマイズの多様化、「武器の大幅増」といった追加に加えて、上記マッチの問題点はほぼ潰している。詳細は作品ページを参照。 2012年11月22日に本作と世界観を共有した『エクストルーパーズ』が3DS/PS3で発売された。新規タイトル扱いで作風も大きく異なるが、本作と世界観を共有している実質的なスピンオフである。詳細は作品ページを参照。 2013年8月29日にナンバリング第3作『ロスト プラネット 3』がPS3/360/Winで発売された。本作の前日談を描いた「シネマティックシューティング」だったが、大爆死してしまいシリーズが途絶えることとなる。 実写映画化も発表されたが『鬼武者』『デビルメイクライ』と共に音沙汰無し。
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コンパチヒーローシリーズリンク ザ・グレイトバトルシリーズ コンパチスポーツシリーズ コンパチRPG その他 関連作品 関連シリーズ シリーズ概要 ザ・グレイトバトルシリーズ 機種 タイトル 概要 判定 初期作品 FC SDバトル大相撲 平成ヒーロー場所 コンパチヒーロー第1作目は、何と剣や銃で敵を滅多打ちにする相撲ゲームだった…。 なし SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団 ロアの妹エミィとダークブレインが初登場。サイドビューアクション。後に3DS版『ロストヒーローズ』初回限定版に収録された。 なし ザ・グレイトバトルシリーズ SFC SDザ・グレイトバトル 新たなる挑戦 後のファイター・ロアであるオリキャラの戦士ロアが初登場。トップビューアクション。地獄大使やバルタンを味方に出来る。 良 ザ・グレイトバトルII ラストファイターツイン 今回からベルトスクロールに。ロアが初のプレイヤーキャラ化。2人でやるとアイスラッガーの取り合いでプレイヤー同士がファイターと化す。 良 FC グレイトバトルサイバー 『SDヒーロー総決戦』の直接の続編的な高難易度のサイドビューアクション。理不尽な難易度と地味なゲーム性から人気は低い。 SFC ザ・グレイトバトルIII 今回は中世風ファンタジー。ゲームとしての完成度は高い。ある意味一番コンパチらしい大胆アレンジは賛否が分かれる。 良 ザ・グレイトバトルIV ベルトスクロールから横スクロールアクションシューティングに。後に『スパロボOG』にも登場するコンパチカイザーが初登場。 良 ザ・グレイトバトルV SF風の次は西部劇。ロア最後の栄光と、バズーカを撃ちまくるゴッドガンダム。「きさまだけは ゆるさねぇ! ダダ!!」 なし PS ザ・グレイトバトルVI 初の3DCG作品。シリーズでは珍しく現代が舞台で、武器も原作と同じ物を使う。シリーズでは知名度・評価共に低い。 ク GB ザ・グレイトバトルPOCKET かなりシンプルなシステムの育成カードバトルゲーム。開発はアルファ・ユニット。 なし PSP グレイトバトル フルブラスト 13年の時を経て蘇る、『グレイトバトル』20周年記念作品。 なし ザ・グレイトバトル外伝 GB 鉄球ファイト! ザ・グレイトバトル外伝 武器が投擲ものオンリーのアクションゲーム。 SFC ザ・グレイトバトル外伝2 祭りだワッショイ 外伝1はシリアス気味だったのに対しこちらはコミカル路線の2Dアクション。 なし 派生作品 SFC スーパー鉄球ファイト! 前作GB版とは打って変わって『ボンバーマン』風の一画面バトルロイヤルゲームに変化。外伝表記は無くなった。開発はメトロ。 GB バトルクラッシャー ぱっと見これにすごく似ている2D対戦格闘。 SFC バトルピンボール 各ヒーローの世界観で作られたピンボール台を攻略していく。開発はバンプレソフト。 コンパチスポーツシリーズ 機種 タイトル 概要 判定 バトルドッジボールシリーズ SFC バトルドッジボール 闘球大激突! 本シリーズでダイナミック系と騎士ガンダム系が登場する数少ないゲーム。 GB バトルドッジボール SFCのアレンジ移植版。1人用はSFCの「スーパーバトルリーグ」にあたるもののみに。 SFC バトルドッジボールII ギリアム ゲシュペンストが、『ヒーロー戦記』に続いて登場。ダイナミック軍団にデビルマン&シレーヌがいる珍しい作品。 良 PSP バトルドッジボール3 パッケージ版が『グレイトバトル フルブラスト』に、DL版の購入コードが『HEROES VS』の各限定版に同梱。内容としては『闘球大激突!』にライダー、ガンダム、ウルトラマンの新チームを追加したもの。 バトルサッカーシリーズ SFC バトルサッカー フィールドの覇者 ゴジラ系キャラが初登場。開発はパンドラボックス。 バトルサッカー2 単発作品 GB バーサスヒーロー 格闘王への道 ファミ通レビューにてコンパチ史上最低点を叩き出した、超モッサリ格ゲー。頼むから普通に動いてくれ。 ク FC バトルベースボール コンパチ野球。基本システムはほぼ『ファミスタ』で、開発は港技研。 SFC/GB スーパーパチンコ大戦 パチンコでスロットを揃えて体力を削りあうだけの対戦ゲーム。開発はカンズ。 SFC バトルレーサーズ 必殺技ギミックなんでもありの後方視点レースゲーム。開発は港技研。 GC チャリンコヒーロー 平成ウルトラマンと平成ライダーが初競演。 コンパチRPG 機種 タイトル 概要 判定 SFC ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス バンプレストレーベル初のRPGで、ギリアム ゲシュペンスト初登場作。所謂「中の人ネタ」を取り入れたシナリオは評価が高く、ゲームバランスも良好。後に3DS『ロストヒーローズ2』初回限定版に収録。一部テキストが現在の社会情勢に配慮した内容に変更されている。 良 SFC ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦 『ヒーロー戦記』から劣化したシステムやシナリオ、さらには文字通りの原作殺害で非難を呼ぶ事に。オリジナルキャラ・マークハンターは『無限のフロンティア EXCEED』で、まさかの再登場を果たす。 ク スーパーヒーロー作戦シリーズ PS スーパーヒーロー作戦 非難も多いが、スパロボに与えた影響も大きい。イングラム(ヴィレッタ) ユーゼス初登場作。 なし スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望 ウルトラマンガイア初登場。前作の反省でストーリーを改善したら、今度はまったくクロスオーバーしなくなった。 ク ロストヒーローズシリーズ 3DS/PSP ロストヒーローズ 世界樹の迷宮シリーズのランカース製作による、3DダンジョンRPG。『世界樹』ゆずりの歯応えのある難易度と、キャラクター描写が好評。 良 3DS ロストヒーローズ2 『ロストヒーローズ』の続編。システムが改善され正当進化を遂げた。前作のアップグレード調整版『ロストヒーローズ BONUS EDITION』のDLコード付属。 良 その他 機種 タイトル 概要 判定 DC 特撮冒険活劇 スーパーヒーロー烈伝 コンパチヒーロー唯一のセガハードタイトル。参戦作品が石ノ森章太郎作品に限定されているがシナリオのおバカさと自由さは凄い。 PSP HEROES VS(ヒーローズバーサス) 9人のヒーローと9人の悪が激突する、3D対戦格闘ゲーム。遂に参戦作品がすべて平成に。 PS3/PSV スーパーヒーロージェネレーション 『SDガンダム Gジェネレーション WORLD』をベースにしたSRPG。原作でヒーローを演じた俳優の起用率の高さはまさに圧巻。 なし 関連作品 ※以下は、かつてはコンパチヒーローシリーズとして扱われていた作品群。 機種 タイトル 概要 判定 GB スーパーロボット大戦 現在まで続くスパロボシリーズの第1作。 なし SFC バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法 ジャンルはまさかのRTS。バグだらけだがファンは多い。 なし FC シャッフルファイト カードゲームとボードゲームを組み合わせたような独創的シミュレーションゲーム。 なし PS バトルフォーメーション ガンダム、ウルトラマン、ライダーの敵役達を指揮し、世界制覇を目指すシミュレーションゲーム。 ※以下は、コンパチオリジナルキャラに由来する出演作品。 機種 タイトル 概要 判定 SS グランドレッド ロア エミィがゲスト出演。 OGシリーズ PS2 スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS ロアが『グレイトバトルIV』のロボで参戦。 良 スーパーロボット大戦OG外伝 エミィが参戦。宿敵ダークブレインも登場。 なし DS 無限のフロンティア EXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ ロア、マークハンターが参戦。 良 PS3 第2次スーパーロボット大戦OG ロア エミィ続投。 良 PS3/PS4 スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ ロア エミィ続投。ダークブレインの配下も登場。 良 関連シリーズ ウルトラシリーズ 仮面ライダーシリーズ ガンダムシリーズ ゴジラシリーズ スーパー戦隊シリーズ スーパーロボット大戦シリーズ メタルヒーローシリーズ シリーズ概要 バンダイナムコエンターテインメント(旧:バンプレストレーベル)のクロスオーバー作品。 主に、SD化された『ウルトラマン』『仮面ライダー』『ガンダム』などのキャラクターが活躍する。
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パペッティア 【ぱぺってぃあ】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション3 発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント 開発元 SCEジャパンスタジオ 発売日 2013年9月5日 定価 ディスク版 5,980円ダウンロード版 4,900円(共に税込) 判定 良作 SIEワールドワイド・スタジオ作品 概要 あらすじ 特徴・評価点 システム 世界観・演出 キャラクター オマケ・やり込み要素 難点 総評 その他 概要 劇場をモチーフとした独特な世界観のアクションゲーム。 ゲーム自体は比較的オーソドックスな2Dアクションだが、劇場を意識した作り込まれた舞台演出と、小ネタ満載の物語が特徴。 あらすじ 月の女神に可愛がられていたリトルベアはある日突然、女神の『ムーンストーン』と魔法のはさみ『カリバス』を強奪し反乱、ムーンベアキングと名乗り女神を撃退する。 そして、ムーンベアキングが王位を簒奪して以後、月は闇の世界へと変貌を遂げてしまう。 それから3年、ムーンベアキングは地球から子供の魂を攫っては自身の部下である闇の軍勢へと変えていた。 主人公クウタロウは同じように地球から攫われ、魂を人形に入れられた上、頭をもぎ取られてしまう。 どうしようもないクウタロウは『カリバス』と『ムーンストーン』を狙う月の魔女に拾われ、彼女の手引きで『カリバス』を盗み出す。 そしてその際、ムーンベアキングに捕らわれていた太陽の妖精ピカリナを助け出したクウタロウは地球へ帰るため、彼女とともに打倒ムーンベアキングの冒険へ旅立つのであった。 特徴・評価点 システム 本作のアクションは、聖なるはさみ『カリバス』を使ったカットアクションが特徴となっている。 ステージ内にはカットすることができるモノが多数配置されており、これらを切ることで進んでいく。 ジャンプ中にカリバスを使うと「エアカット」となり一時的に浮遊することができ、また何かを切り続けている限り飛び続けられる。 後半のステージではほとんどこれのみで進行する構成のステージも存在する。 また、「レールカット」という、縫い目のような点線に沿って自動で切り進むアクションもある。 次いで特徴的なのが、『ヘッド』。 本来のヘッドを失ったクウタロウは、冒険の最中様々なヘッドを入手し自分の頭として使っていくことになる。 新たなヘッドは、ステージ内の特定の場所を調べたり、イベントなどの際に入手できる。また、ステージ内に浮遊する「ヘッドポット」からはすでに入手したことのあるヘッドをランダムで入手できる。 ヘッドの数は100に上り、収集要素としての側面も持っている。 ヘッドごとに違う能力が備わっているということはないが、それぞれ固有のヘッドアクションがあり、特定の場所で特定のヘッドのアクションを行うことで、様々なギミックが発動する。 ボーナスステージへ行く、大量のムンピー(マリオのコインのようなもの)を入手できる、別ルートやショートカットの出現、ボス戦で楽ができる等々。 ヘッドは3つまでストックでき、ストック3つの状態で新たなヘッドに触れると、その段階で装備していたヘッドに上書きされる。 アクションポイントで必要なヘッドを潰してしまうこともあるので、ヘッドを取るか、取るなら何を潰すか等状況によって取捨選択をしていくことも大事。 とはいってもアクションできなかったからと言って重大な問題が生じるわけでもないが。 ダメージを受けるとヘッドは体から飛んで行ってしまい、3秒以内に拾えないと失ってしまう。穴に落ちたりしても1つ失ってしまう。ヘッドが1つもない状態になると1ミスとなる。 この仕様のためライフを失うことはあまりない。そのライフも初期値が多めな上、普通にプレイしているとみるみる増えていく。もっともそれ故ヌルゲーというわけではなく、それだけダメージを受ける機会が多いとも言える。 ヘッドには付け替えていくものの他に、ストーリー進行で入手する「ヒーローヘッド」という特殊なものもある。 攻略上重要なアクションが行えるようになるもので、全てで4つあり、ヘッド交換の必要がなくいつでも使えるものである。 ゲーム中ではクウタロウ以外にサポートキャラも操作することになる。最序盤のみ猫のインヤン、以降は太陽の妖精ピカリナとなる。 サポートキャラは無敵かつ画面内を縦横無尽に飛ぶことができ、ステージ内に多数仕込まれているギミックを捜索する役目を担う。 2Pプレイの場合、2Pがサポートキャラを操作することになる。1Pプレイ時は画面内の捜索程度しかできないが、2Pプレイ時は、敵への攻撃やヘッドの回収、障害物の排除など行えることが大幅に増加する。 これにより、2Pプレイでは大幅に難易度が低下する。しかし、仕込まれたギミックの多さから、あれやこれやと二人でワイワイ盛り上がりながら進めるという、1Pプレイとは少々趣の違ったプレイができる。 また、2Pのやれることが多いため、メインとサポートという形態ながら、2Pが暇になることは少ない。 ちなみに、サポート以外にもクウタロウからヘッドをもぎ取ったり、回収したヘッドを投げ捨てたりと、一種の妨害も可能。 顔が見える距離だから面白いが顔が見えないと感じが悪すぎるという理由でオンラインプレイは断念された。 ボス戦では、とどめの際などにQTEが挿入される。あまり良い印象を持たれないQTEだが、ネガティブな面を極力抑える努力がなされている。 失敗するとダメージ判定となるが、ボタンが表示されるとスローになるため意外と余裕があり、その時間制限も分かるようになっているなど、取り立てて厳しいものではない。 また、唐突にQTEイベントが始まるのではなく、プレイヤーのタイミングでイベントを開始させるようになっている。 また、QTEイベントではクウタロウとボスのダイナミックな立ち回りが繰り広げられており、没入間を高め飽きさせないものになっている。 難易度設定はなく、1Pプレイではそこそこ歯ごたえのあるアクションゲームとなる。 上述の通り2Pプレイでは難易度は優しくなる。 SCEファーストタイトルなので3Dテレビ・PSmoveにも対応している。 舞台劇(下記参照)という設定で、且つムービーやカットシーンでダイナミックに動きまくる本作は、3D表示と抜群にマッチしている。 PSmoveも同様で、ピカリナの操作とmoveとの親和性は非常に高い。 世界観・演出 本作は劇場をモチーフとしており、ゲームの物語自体が劇場で公演されている演劇であるという設定である。登場キャラクターも演劇に出演している演者であり、メタ的な発言も多い。 タイトル画面ではナレーションによる劇場案内や諸注意が流れる。何パターンかあり、放置しているといろいろ聞ける。 また、ステージセレクト画面でも、放置しているとナレーションによるガイダンスや出演を待つ舞台裏のキャラクター達の会話が流れる。こちらは5分程度放置している必要があり、普通にやっていたら恐らく気付かない。 後でもう少し詳細に語るヘッドストーリーでは、劇中の役ではなく演者としての設定が語られる楽屋ネタも多い。 物語上では相当数の小ネタが仕込まれており、「私の魂の名前がそんな俗っぽいはずがない」「わふー!」「ビックウェーブに!」といったパロディネタも豊富。 中にはディ○ニーを意図したようなかなり危ないものもある。 演出面でも劇場は強く意識されており、画面は常に観客席から舞台を見る視点で固定されている。 2Dアクションだがスクロールはせず、舞台装置が転換してステージが進んでいく。 ムービーシーンでも舞台装置の転換によりアングル変更が行われる。 ライティングなどの演出や紙吹雪などで表現される効果などは本物の舞台を参考にしており、リアリティがある。また、舞台上のセットはあえて作り物としての手作り感が意識されて表現されている。 ムービーシーンでは、個々のリアリティは維持しつつ、ゲームならではの現実ではあり得ないダイナミックな動きをする舞台装置も見られる。 転換して新たなセットが登場する際は、全ての小道具がちゃんとそれぞれ揺れ動いており、細かなところまで作り込まれているのがよく分かる。こういう細かいところに注視してプレイしてみるのも面白いかもしれない。 作中では狂言回しのナレーションの他、要所要所では観客からの歓声や笑い声も入り、本当に劇場で劇を見ているような没入間を味わえる。 ステージ開始と終了時、またはステージ中にムービーが挟まれるのだが、このムービーは大作IPや大作CGアニメも真っ青なくらい、とにかく洒落にならないほど動きまくる。そのクオリティは何度見ても飽きないほどにずば抜けて高い。 使用されているBGMは、「メリダとおそろしの森」や「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」等を手掛けた作曲家、パトリック・ドイルによるもので、捨てる曲が全くないほどの名曲揃いである。 サウンドトラックを望む声も多いが、残念ながら2017年現在未だ発売されていない。 ストーリー自体は月を舞台としたファンタジーである。 本作における月は生命溢れる世界であり、森や海、荒野や町など様々なステージを進むことになる。ロボットや工場、宇宙のようなSF色の強いステージもある。 ちなみに、コメディ的な演出や満載の小ネタからコミカルな作品だが、世界観の本質はダークファンタジー寄り。冷静に見てみると実はエグイ描写も多い。 お笑い要素もブラックジョークは少なくない。 キャラクター 本作は各キャラクターもよく作られており、個性豊かな面々がひしめいている。 本作を語るうえで欠かせないのは、劇場支配人で本作の案内人としてナレーションを務める、藤原啓治演じるミスターGだろう。 ストーリー進行に伴う物語の語りの他にも、ギミックやステージに関連はしていても物語的にはどうでもいいことを語り始めることも多い。むしろそちらの方が熱が入り、おかしなテンションになっていることもある。 ボーナスステージでは特に顕著である。おかしな語りに耳を貸しすぎてタイムアップなんてこともある。 狂言回しの域を超えて劇中へツッコむことも。 ちなみに、本作は海外版が先に収録されており、そちらではダンディな感じだったらしいのだが、日本語では同じ雰囲気ではイメージに合わなかったため、藤原啓治が起用され軽薄さもあるキャラクターとなったとのこと。 もう一人欠かせないのが、クウタロウのサポートキャラクターとして冒険に随伴する、松岡由貴が演じるピカリナ。 関西弁で話し、ギミックを動かしたりして画面内に動きがあるとことあるごとによく喋り、よくツッコむ。 ナレーションにツッコんだり言い合いをしたりと、最もメタ的な発言の多いキャラでもあり、プレイヤーの間ではカワイイと評判。 ちなみに声優の松岡由貴は関西出身である。 この二人が特に凄まじくセリフ量が多いが、他のキャラクターもステージ中なにかと喋る。 月の魔女エズマー・ポッツ、魔女の飼い猫インヤン、ムーンベアキング、その部下の12人の将軍、その他ステージ毎の脇役などキャラ数は地味に多いがそれぞれしっかりキャラ立ちしている。 特に月の魔女はチュートリアルの度にコスプレする等いちいち芸が細かい。チュートリアル中にR2で触ったり攻撃したりすると、専用のリアクションを取ってプレイヤーを大笑いさせてくれる。 他に特徴的なキャラクターなのが、雑魚敵である「デク」。蒸気機関にあくせく石炭をくべたり、クウタロウを攻撃するための仕掛けに自分が巻き込まれたり、タコの人形に頬ずりしたり、自分が作った雪玉に巻き込まれて転がったりと、画面の何気ない部分でコミカル且つ微笑ましい動きをし、プレイヤーを和ませてくれる。 ちなみに、主人公クウタロウは本来のヘッドを失い、様々なヘッドを代用しながら進んでいくため、一切セリフはない。 ただし、コミカルに動き回り感情を豊かに表現しているため、個性的な面々に囲まれながらも埋もれてしまってはいない。 参加している声優は実力派の方々で、その演技も演劇的なものになっている。 オマケ・やり込み要素 ステージ開始時には、回収したヘッドの数、助けた子供の魂の数、ボーナスステージの発見およびクリアについてが表示される。 上述の通りヘッドは100種類あり、ヘッドコレクションで入手したヘッドを閲覧することができる。 ここではヘッドストーリーという、各ヘッドにまつわるちょっとした話を読むことができる。 キャラの裏話や楽屋ネタ、月の生物の変な生態等々、全体的にネタに満ちたくだらなくも面白い話が並んでいる。 しかるべき場所でヘッドアクションをしたかどうかも表示されており、集めるだけでなく実際に使用するというやり込みもある。 入手できていないヘッドについては、ここで入手法についてのヒントを見ることができる。 子供の魂は、ザコ敵のデクや中ボス的な存在のボロには子供の魂が詰め込まれており、これらからすべての魂を開放できたかどうかというものである。 ボスであるボロはともかく、ザコであるデクは分かりづらい場所にいたり、ギミックをしっかり発動させていく必要があったりと見落とすことも多い。 また、攻撃した反動でうっかり穴などに落としてしまうと魂の開放ができなくなってしまうため、足場が悪い場所では上手いこと攻撃する必要がある。 発見したボーナスステージがプレイできるボーナスチャレンジもある。 ストーリー上では発見したもののクリアできなかったものも、こちらでクリアできればクリア扱いとなる。 ボーナス内でヘッドアクションがあるステージも多いが、ボーナスチャレンジでは必要なヘッドを装備した状態で開始でき、加えてヘッドアクションもこちらで初発動でもしっかり登録される。 「絵本」というキャラクターのバックストーリーが読めるオマケ要素もある。各章クリア後に追加されていく。 全編が藤原の朗読である。男も女も問わず藤原が様々な声色で演じている。故に若干シュールな場面も。 しかし、内容自体は全体的にシリアスな雰囲気のお話である。 難点 ムービーは多め。プレイヤーが操作できないパートは比較的多く挿入される。 画面が固定のため没入していると違和感も少ないが、テンポを崩していると感じる人もいるだろう。 また、やり直しの際などは特に煩わしさを感じることがある。 一応細かくスキップすることができる。 ヘッドは数が多いが、結局のところ収集要素でしかなくなっている面が強い。 ゲーム自体はオーソドックスな2Dアクション。 綺麗なグラフィックと独特の演出でそこに留まらない作品となっているが、ゲームプレイ自体は、良くも悪くも無難。 ボス戦も演出はバリエーション豊かで大いに楽しませてくれるが、プレイヤーがやること自体に大した差はない。 世界観に入り込めなかったりアクション優先だと、飽きが早いかもしれない。 敵の少なさ。 上述の通り、主にザコ敵はデクのみであり、その上ステージによってはろくに出てこない。 敵と戦うことに重きがある作品ではないが、その面でのバリエーションの乏しさは目につく。 一応狂暴化した動物といったものもでてくるが、1Pプレイでは避けるしかない障害物であることが主。 ゲーム内で示されるやり込み要素は1Pプレイでも問題なく埋められるが、トロフィーとなると2Pプレイヤーが条件となるものもあり、一人でやり込むと面倒くさい。 一度エンディングを見た後に入手可能になるヘッドのヘッドアクションでサポートキャラを2P仕様にすることができ、それでトロフィー回収もできるので、コントローラーを2つ用意する必要はない。ただし、そのヘッドを装備し続ける必要があり、また一度紛失すると取り直すのが面倒なのでやり辛さは残る。 総評 劇場をモチーフとした今までに類を見なかったゲームデザインが最大の特徴で、その表現・作り込みに対して尽きる事のないスタッフの愛が感じられる作品。 その完成度は極めて高く、ストーリー・BGM・グラフィック・アクション性・ゲームバランス・キャラクター・設定、更にはネイティブフルハイビジョン対応・高く安定したフレームレート・皆無に近い不具合・3D立体視対応・PSmove対応と殆ど非の打ちどころが無い。 あなたがこの世界観にのめり込めるなら、そのプレイ体験は素晴らしいものになるだろう。さぁあなたも魔法劇場へ!! その他 PSNでは体験版の他にリハーサル版というものも配信されている。 これは、「本番(製品)」に向けて準備中のステージやキャラクターを見ることができるというもので、専用のボイス・演出などを伴って進行する特殊なものである。 制作側はプレイできるトレイラーのようなものと表現していた。 これをベースに以下のようなものも制作されている。 2013年8月30日にニコニコ生放送で放送された「電人☆ゲッチャ!」にてこれの為のみ「高橋名人ヘッド」が製作された。 専用のヘッドアクションもある他、ボイスもこれ用に撮り下ろしている謎の力の入れようであった。 期間限定で一時的に、名人仕様のリハーサル版が配信されていた。 2013年11月8日に同じくニコニコ生放送で放送された「NGC『SIREN』10周年記念特別生放送」では、『SIREN』シリーズ10周年を記念して制作された「SIREN 10周年記念バージョン」が公開された。 SIRENの主人公須田恭也のヘッドや屍人のビジュアルのザコ敵などが用意された。ヘッドアクションももちろん完備。 元々身内で行われた記念イベント用に制作されたもののため、声はさすがにキャスト本人ではないが、専用のセリフも用意されており、SIRENファンがニヤリとできる要素も。 こちらは、SIRENシリーズの制作に関わったスタッフが、今作にも多く携わっていることから実現したものである。 配信を望む声も多いが、音沙汰はない。
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にゃんにゃんにゃんこのにゃんコレクション 【にゃんにゃんにゃんこのにゃんこれくしょん】 ジャンル テーブル コレクションゲーム 対応機種 ゲームボーイアドバンス 発売元 エム・ティー・オー 発売日 2005年3月24日 価格 4,179円(税込) 判定 なし ポイント にゃんにゃんにゃんこのゲーム化総計356枚のキャラクターカードを収録ゲームそのものは今一つ面白くない サンエックスキャラクターゲームリンク 概要 主なモード 主なルール メインモードのルール ミニゲームのルール 評価点 問題点 総評 その後の展開 概要 1999年にてサンエックスキャラクターとして登場し、多くの猫好きを萌えさせたものまね大好き猫「にゃんにゃんにゃんこ」を題材としたゲームボーイアドバンス用ゲームにあたる。 にゃんこ村を舞台に、様々なステージを選んでプレイしていくのが目的となる。 ゲームとしては一人プレイ専用。キャラクターカードの交換を行う際のみにワイヤレスを使った二人通信が可能。 主なモード ゲームであそぶ 本作のメインモードにあたる。 にゃんこ村の様々なステージにて、キャラクターカードを入手したりゴールを目指すなどしてゲームを進めていく。 ものまねアルバム メインモード内のにゃんこ村の各ステージで入手したキャラクターカードが鑑賞できるモード。 キャラクターカード鑑賞以外にも、エンディング鑑賞(メインをクリアする必要あり)とBGM鑑賞も可能。 おまけ メインモード内のにゃんこ村の各ステージで発生したクイズやミニゲームを単独でプレイできるモード。 他にも環境が整っていればGBAワイヤレス通信にてお互いが所持しているキャラクターカードの交換ができる。 交換するにはGBA本体と本ソフトが2つづつ必要となる。 交換できるカードは「ノーマル」と「ぷちレア」のみとなっており、「スペシャル」のカードの交換はできない。 交換と銘打ってはいるが、実際のところは交換した側のカードはなくならず、お互いがノーリスクで同じカードを所持できる親切仕様となっている。 主なルール メインモードのルール 「ゲームであそぶ」を選ぶとにゃんこ村MAP画面に移項する。 にゃんこ村には全部で12のステージがあり、好きなステージを自由に選択してプレイしていく。 各ステージは何度でも選択してプレイ可能であり、クリアしたからといって二度とプレイできないという事態は一切ない。 にゃんこ村の全ステージ、及びキャラクターカードの枚数を下記に示す。なお、「N」「P」「S」とは左から「ノーマルカード」「ぷちレアカード」「スペシャルカード」の略称である。下記のステージ以外にも「にゃんこ駅」という選択場所があるが、これを選んでもタイトル画面に戻るだけでステージの類ではない。 ステージの名前 N P S にゃんこ茶屋 18 4 1 にゃんこカフェ 20 5 3 にゃんこ休み 15 5 2 にゃんこ飯店 23 5 1 にゃんこレストラン 21 5 1 にゃんこまつり 18 4 1 にゃんこ温泉 28 7 1 にゃんこ神社 1 3 1 にゃんこバーガー 30 5 1 駄菓子屋にゃんこ 43 5 1 にゃんこパーティー 19 3 1 にゃんこマーケット 48 6 1 にゃんこを操ってステージを歩き周り、ゴールを目指すのが大方の目標となる。 各ステージはすべてすごろく方式での移動となっており、サイコロを回しながらマスを進めていく。 サイコロの出目は1~6まであり、出目の出方は完全に運になっている。一人プレイ専用なのでステージを終えるまで黙々と一人ルーレットを回していく事になる。 マスの進み目は所々に分岐がされているが、どう進もうがゴールは固定となっている。また、進み方によっては同じマスに何度でも止まる事が可能。 特にゲームオーバーになる様な条件は存在せず、プレイ内容に関係なくいつかはゴールにたどり着ける様になっている。 マスの種類は以下のものがある。 出目の途中でも強制的にストップとなるマス。 「じゃんけんマス」…相手にゃんことのじゃんけん勝負となる。じゃんけんするにはコバンが必要。 「ミニゲームマス」…ミニゲームが発生する。何のミニゲームなのかはランダム。 「ブックショップ」…様々な本をコバンと引き換えに購入し読む事ができる。 「アイテムカードショップ」…様々なアイテムカードをコバンと引き換えに購入できる。また、所持しているアイテムカードを売却できる。 「ゴールマス」…ここに止まればステージクリア。但し、クリア条件を満たしていない状態で止まると、クリアできないままにステージ内を再び移動する事になる(下記)。 通常通りのストップとなるマス。 「ノーマルマス」…何の効果もない。 「スタートマス」…ここからステージが開始される。マスそのものの効果は何もなし。 「一方通行マス」…後戻りができなくなる。マスそのものの効果は何もなし。 「インフォメーションマス」…何かの情報が得られる。 「コバンUPマス」…特定量の所持コバンが増える。 「コバンDOWNマス」…特定量の所持コバンが減る。 「ポイントUPマス」…特定量の所持にゃんこポイントが増える。 「ポイントDOWNマス」…特定量の所持にゃんこポイントが減る。 「アイテムカードマス」…アイテムカードが1枚貰える。何のカードなのかはランダム。 「ルーレットマス」…ルーレットが発生し何かの効果が起こる。 「クイズマス」…クイズが発生する。 「イベントマス」…イベントが発生し、イベントポイントが1つ貰える。 その他のマス情報。 すべてのマスを通り過ぎる度にコバンが1枚づつ増えるボーナスがある。 UPマスとDOWNマスには通常のものの他に、サイコロの目が付いているものがある。これに止まるとサイコロを2~3個振り、その総計数のコバンかにゃんこポイントが増減する。 ステージによっては「通行禁止」の立て札が表示されたマスがある。これには一切の停止はできず、他のマスへの迂回を余儀なくされる。 各ステージのゴールマスでゴール(クリア)するには、ゴール前に以下の3つの条件を満たす必要がある。 「にゃんこポイント」 ポイントUPマスなどで入手できる「にゃんこポイント」を特定数溜める事がクリア条件の1つとなる。 「イベントポイント」 イベントマスで入手できる「イベントポイント」を3つ溜める事がクリア条件の1つとなる。 「とくしゅじょうけんポイント」 プレイするステージによっては「じゃんけんに○回挑もう」「マスを○○マス進もう」という条件が1つだけあり、それを満たす事でポイントが溜まっていく。それを特定数溜める事がクリア条件の1つとなる。 このゲームにおけるステータス画面は以下のものがある。 「コバン」…所持しているコバンの枚数。ショップマスなどで商品を購入したり、じゃんけんマスの勝負を受けるのに必要なもの。 入手方法は「マスを通過/ストップする度貰える」「コバンUPマスに止まる」などの方法がある。 「にゃんこポイント」…所持しているにゃんこポイントの数。クリア条件に必要なもの。 入手方法は「ポイントUPマスに止まる」「ミニゲームマスのミニゲームをクリアする」などの方法ある。 「イベントポイント」…所持しているおはなしイベントポイントの数。クリア条件に必要なもの。 入手方法は「イベントマスに止まる」のみで、それ以外の入手方法はない。 「とくしゅじょうけんポイント」…詳細は上記にて。クリア条件に必要なもの。 入手方法はそのステージによって異なるので割愛。 「所持アイテムカード」…所持しているアイテムカードの内容。 入手方法は「アイテムカードショップでカードを購入する」「アイテムカードマスに止まる」といった方法がある。 アイテムカードについて。 名称がキャラクターカードと似ているが、それとは全く無関係のカードである。 アイテムカードを所持していればサイコロをふる前に使用するカードを消費し、様々な恩威を受ける事ができる。 アイテムカードは最大で6枚しか所持できない。また、全く同じ効果のカードでも別のカードとしてカウントされるので、必ず6枚きっかりしか持てない。 アイテムカードの種類は以下のものがある。 「数字カード」…1~6の数字が書かれたカード。使用すると数字分のマスが進める。 「効果倍増カード」…このカードを使用すると、その先に止まったUPマス、DOWNマスなどの効果が倍増する。 「サイコロ倍増カード」…このカードを使用すると、サイコロを振る数が倍増する。 「効果なしカード」…このカードを使用すると、その先に止まったマスの効果を無効にする。 「ランダムカード」…何が起こるか分からないカード。 「キャラクターカード入手カード」…ランダムで何かのキャラクターカードが入手できる。 キャラクターカードの分類と入手方法。 キャラクターカードには以下の3つの分類がある。以下詳細。 「ノーマル」…にゃんこの絵柄だけが表示されたカード。 「ぷちレア」…にゃんこの絵柄と解説が表示されたカード。 「スペシャル」…にゃんこの絵柄と解説が表示され、専用のアニメーションが用意されているカード。 キャラクターカードは以下の方法で入手可能となる。なお、カードは一部例外を除けばそのステージ内専用のものしか入手できない。 じゃんけんマスに止まってじゃんけんに勝利する。このマスではダブりカード(入手失敗)(*1)を引いてしまう場合もある。 ミニゲームマスに止まってミニゲームをクリアする。 クイズマスに止まって全3問出題される○×クイズを2問以上正解する。 ステージ内のイベントマスに3回止まる。 所持カードの「キャラクターカード入手カード」を使用する。このカードではダブりカード(入手失敗)を引いてしまう場合もある。 そのステージをゴールする。スペシャルカードはこの方法でしか入手できない。 メニューの「おまけ」にて相手プレイヤーとGBAワイヤレス通信でカードを交換する。 エンディングとキャラクターカード制覇に関して。 12のステージをすべてゴールすればエンディングとなる。どのステージもゴールさえすればいいので、さほど手間がかからないと思われる。 エンディング発生後は、メニューの「ものまねアルバム」でエンディングが自由に鑑賞可能となる。 キャラクターカードすべてをコンプリートするとお祝いのメッセージが表示される(それ以外の特典はなし)。 ミニゲームのルール メインモードで発生するミニゲームの詳細は以下の通り。 メイン以外でもメニューの「おまけ」でミニゲームは自由にプレイ可能となっている。 各ミニゲームは「かんたん」「ふつう」「むずかしい」「とてもむずかしい」の4つの難易度が用意され、自由に選択が可能。 なお、どの難易度でクリアしても特にこれといった優遇的な見返りはない。 + ミニゲームの内容 「にゃんこのまちがいさがし」 画面左側と右側に同じイラストが表示されるので、その中から間違いを場所をすべて当てていく。 間違いを当てるとそこに○印が付く。無関係な場所を当てると微小のタイムロス。 十字ボタンでカーソルの移動。Aボタンで間違い場所を当てる。 制限時間以内に指定数の間違いをすべて当てればクリアとなる。 「にゃんこのカードあわせ」 12枚の裏返しカードが表示されるので、同じペアの絵柄カードを当てていく。 十字ボタンでカード選択。Aボタンでカードをめくる。 許容ミス回数があり、それがなくなるとクリア失敗。許容ミス回数尽きずにすべてのカードをめくるとクリア。 「にゃんこのえあわせパズル」 3 × 3のスライドパネルがシャッフルされるので、それを元の形に戻していく。 十字ボタンでパネルの選択。Aボタンでパネルの移動。 制限時間があり、それがなくなるとクリア失敗。制限時間が尽きずに元の形に戻せばクリア。 「にゃんこのスイカわり」 目隠ししたにゃんこが左から右へと移動する。右側にいるスイカにゃんこに向かって目隠しにゃんこを導いていく。 十字ボタン上下で目隠しにゃんこをボタンの方向に進ませる。但し、目隠しにゃんこはふらふら状態なのですぐにその方向に進んでくれるとは限らない。 目隠しにゃんこがスイカにゃんこに近づいてスイカ割りをすればクリアとなる。 「にゃんこのオーダーパニック」 にゃんこ客が様々なオーダーを頼むので、そのオーダー通りの商品を店員にゃんこに指示していく。 画面下に商品に対応した操作が表記されているので、対応操作をして商品を渡していく。間違った商品を渡したり、一定時間経っても商品を渡せないとにゃんこ客が帰ってしまいタイムロス。 制限時間以内に指定ノルマ分の商品をすべてにゃんこ客に渡せばクリアとなる。 「にゃんこのにゃがしそうめんすくい」 流しそうめんからにゃんこが流れていくのでそれを手桶でキャッチしてタライに入れていく。 手桶は3匹までしか入れられず、4匹以上入れてしまうと手桶がひっくり返ってタイムロスな上に、落っことしたにゃんこ分の指定ノルマ数が増加してしまうペナルティ。 時折「緑色のにゃんこ」が流れてくる場合がある。緑にゃんこは2匹分の重さがあり、それを考慮して手桶をキャッチしなければならない。 十字ボタン左で流しそうめんを手桶を待機させる。右で手桶をタライ側に移動させ、Aボタンでタライににゃんこを入れる。 制限時間以内に指定ノルマ分のにゃんこをタライに入れればクリアとなる。 評価点 にゃんにゃんにゃんこの可愛いらしさがたっぷりと詰まっている。 このゲームにおける8割以上の評価点はこれに一点集中しているといっても過言ではないだろう。 にゃんこ達の可愛さがこれでもかという位に再現されており、「にゃんにゃんにゃんこのキャラゲー」としては申し分なき出来であろう。 ゲーム内に登場するにゃんこの種類は豊富であり、にゃんこファンならばにゃんこ達を眺めているだけでも2828してしまう事は請け合いである。 キャラクターカードは総計356枚もあり、それをゲットするのが楽しい。にゃんこファンにとってはカードをコンプリートして2828しっぱなしになればいいさ。 上質なテンポ感。 余計な演出は一切なく、さっぱりとゲームが進行する軽快さを持っているのは嬉しい。 操作性も万能で複雑なものは一切なく、ゲーム内に操作などの説明がなされる為に説明書なしでもすぐに入り込める。 そしてエム・ティー・オー製の例に漏れず説明書自身も丁寧に作られているというこだわり様。 問題点 純粋にゲームとしてみると面白みが薄い。 このゲームの要は「サイコロ振ってカード集めてゴールを目指す」だけであり、それ以外に何が楽しいのかといわれると答え様がない…。 どのステージも似たようなマスで構造され、淡々と一人すごろくするだけなので即効でマンネリ感を覚えてしまい、平たくいえば作業感だけが非常に強いゲームでしかない。 ミニゲームはたったの6種類しかなく、違うステージで同じものが平然と使い回される。 ジャンケンは当然ながらただの運ゲーであり、クイズは同じ問題被りまくりですぐに覚え回答と化す。 ただサイコロ振っているだけでもいつかはゴールに着くので、アイテムカードは無理に使う必要もなく戦略味は皆無。 さらにはすごろく方式なので、いざという時に止まりたいマスにたどり着きにくいというジャンル上の問題まである。 …と、このゲームにおけるゲーム性に関しては負の印象しか思いつかない。 すなわち、にゃんこ達に出会いキャラクターカードを集めるという目標に楽しみを見出せなければ、はっきりいって駄作以下の作品という事になる。 ステージが用意されていないにゃんこ村の施設。 ゲーム内のにゃんこ村MAPにはステージとして選べるもの以外にも、「にゃんこ城」「にゃんこ湖」「にゃんこ山」といった絵が表示されているのだが、これらはただの飾りで何もない。 特ににゃんこ城に関してはかなり目立つ場所に表示されているだけにステージが用意されていないのは少々腑に落ちないところ。 また、「にゃんこ駅」がタイトル画面に戻るだけの存在でしかないのも残念。原作ではいっぱい名物にゃんこがいる施設なんだが…。 総評 「にゃんにゃんにゃんこのキャラゲー」としては非常に上質な作品だが、「1つのゲーム」としては早い段階から飽きてくる恐れが強い。その辺はファンソフトとして割り切るしかない模様。 その後の展開 本作の約1年後にリリースされたニンテンドーDSソフト『サンエックスランド テーマパークであそぼう!は、本作のすごろく形式のゲーム性をベースにして、キャラゲー度の強化が図られている。 しかし、元である本作が今一つ面白くないので、こっちも本作と似たような評価に留まっている。